戦車の燃費はどれくらい? タイヤ駆動の「16式機動戦闘車」ならもっといい? 高速道路も走れるけども

大型トラックと同じエンジン搭載する戦闘車両

 16式機動戦闘車も、戦車と同様に燃費や燃料搭載量については公表されていませんが、同系統の戦闘車両と比較すると、いわゆるカタログ値ではおおむね2km/Lの範囲で収まりそうな印象です。

 その理由として挙げられるのが、同じ装輪装甲車である87式偵察警戒車です。

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87式偵察警戒車と同じタイプのエンジンを搭載する旧型の大型トラック。型式名などは異なるが、中身はほぼ同じだそう(武若雅哉撮影)。

 実は87式偵察警戒車のエンジンは、旧型の大型トラック、「73式大型トラック」(現行の大型トラック「3 1/2tトラック」とは異なる)とほぼ同じものの時期がありました。

 大型トラックの燃料搭載量は最大190リットル。かたや偵察や戦闘に必要な装備を多く持ち、決して車内空間が広いとは言えない87式偵察警戒車もおおむね同等規模か、少し多いくらいの燃料搭載量であると考えられます。計算しやすくするため、ここでは200Lの燃料を搭載できると仮定します。

 では、ここから核心に迫る数字を述べていきます。

 空荷状態での車両重量が約8.5tの大型トラックの燃費が3.5km/Lとすると、空荷状態の車両重量が約15tの87式偵察警戒車は概ね2.5km/Lから3km/L程度であると考えられます。もちろん、諸条件によって数値は変わりますが、それは民間車両でも同じことですので、ある程度は無視できるでしょう。

 1リットルあたり3km走れるとして、87式偵察警戒車が500km走行するのに必要な燃料は200リットルとなることから、あくまでも筆者の推測にはなりますが、推定カタログ値となる87式偵察警戒車の燃費は2.5km/Lから3km/L程度と考えられます。

 この数値を基準として、87式偵察警戒車よりも8tほど重い約26tの16式機動戦闘車を考えてみます。

 こちらも自走できる最大航続距離は500km程度と考えられます。なぜならば、16式機動戦闘車は全国を移動する機動師団(旅団)に配備されていて、なおかつ前出の87式偵察警戒車や、似た足回りを持つ8輪駆動の96式装輪装甲車などと共に高速移動することが想定されているからです。

 逆にいうと、これらの車両と共に行動できるだけのスペックがなければ、16式機動戦闘車は真価を発揮できないといえるでしょう。

【画像】えっ…これが戦車や装甲車の「燃費」です

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コメント

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1件のコメント

  1. 鉄は重くて硬いは常識としても、樹脂がプラスチックで軽い車体(または装甲)の洗車を作れれば燃費の問題も変わってくるのでは。爆発に耐えるから被弾したら弾く。もしくはブロック構造でその部分だけを交換したり再整形できるとか。無論、エンジンや砲身などの光熱に耐えうるパーツにはそれなりに金属を使うことになるでしょうが、銃火器でさえも樹脂製のものがあるわけで、車両総重量の重さを樹脂で軽減する時代が来るかもしれないですね。
    確か士郎正宗先生のドミニオンで登場する戦車も強化プラスチック製ですし、強度を全て硬い鉄で補うよりも、強化繊維を樹脂で固め、エンジンの代わりにモーターで駆動する洗車が登場しても面白いでしょう。