戦車の燃費はどれくらい? タイヤ駆動の「16式機動戦闘車」ならもっといい? 高速道路も走れるけども

戦車よりは燃費よかった、でも…

 加えて、戦車並みの燃料タンクでは補給面で他の車両とのバランスも取りにくくなるため、燃料搭載量は最小で250リットル。最大でも300リットル程度なのではないでしょうか。

 仮に300リットルの燃料タンクを持ち、500km走行できるとすると、1リットルあたりの燃費は約1.6kmとなることから、カタログ値としてこの数字は信頼することができます。

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燃費が悪く、高速走行できない戦車の場合、長距離移動時はトレーラーに積載されて移動する(武若雅哉撮影)。

 ただし、実際には弾薬や乗員、そして訓練に必要な資材などを積み、さらにはエアコン搭載車も増えていることから、実燃費に関しては想定カタログ値の7割から8割程度、つまり、1リットルあたり1kmから1.2km程度と推測されます。さらに、不整地を低速走行すれば燃費はより悪化するため、1リットルあたり800m程度にまで落ち込むと考えられます。

 ちなみに戦車はリッターあたり300~400mといわれているため、戦車と比較すれば、倍以上の数値となり燃費は良いものの、やはり一般的なトラックと比べると燃費は悪いといわざるを得ません。

 こうして見てみると、いくら16式機動戦闘車が一般車と同じように高速道路を疾走できるといえども、長距離を走行する際や、長期の演習に参加する時などには、相応の燃料補給体制が整っている必要があるといえそうです。

【了】

【画像】えっ…これが戦車や装甲車の「燃費」です

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

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1件のコメント

  1. 鉄は重くて硬いは常識としても、樹脂がプラスチックで軽い車体(または装甲)の洗車を作れれば燃費の問題も変わってくるのでは。爆発に耐えるから被弾したら弾く。もしくはブロック構造でその部分だけを交換したり再整形できるとか。無論、エンジンや砲身などの光熱に耐えうるパーツにはそれなりに金属を使うことになるでしょうが、銃火器でさえも樹脂製のものがあるわけで、車両総重量の重さを樹脂で軽減する時代が来るかもしれないですね。
    確か士郎正宗先生のドミニオンで登場する戦車も強化プラスチック製ですし、強度を全て硬い鉄で補うよりも、強化繊維を樹脂で固め、エンジンの代わりにモーターで駆動する洗車が登場しても面白いでしょう。