旅客機の前脚ドアに「赤い線」何かの警告? もう一本「隠れ赤い線」も 重要なその“意味”

旅客機の「赤い線」にまつわるあれこれ

 なお、多くの旅客機では赤い線を超えてステアリングを横に切ることは物理的には可能ですが、ただ、その場合破損の危険性があり、安全が保障できない可能性も考えられるとのこと。そういうことがないように、トーイングカーの運転手は飛行機の方向を変えるとき、赤い線を目印としてステアリングを操作しているとしています。

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ボーイング737の前脚部分。ドアに赤い線が塗られている(乗りものニュース編集部撮影)。

 なおJALによると、トーイングカーにはけん引するときに、棒(トーバー)を使うタイプと、使わないタイプがありますが、両方とも、赤い線を目印にステアリングを切るのは変わらないといいます。また、同社の新鋭機であるエアバスA350-900も、同様の目印がついているとのことです。

 ちなみに、飛行機に引かれている赤い線はこれだけではありません。JAL機の整備士によると、たとえばボーイング737型機の胴体前方に引かれているものは、スタッフの安全を守る重要性の高いものだそうです。

「胴体前方の赤い線は、エンジンが回っているときに『これ以上エンジンに近づくな』という印です。飛行機を動かすエンジンはとても吸引力が強大ですので、近づきすぎると吸い込まれてしまう可能性もあります。そういったなかでも整備士やハンドリングスタッフが安全に作業できるよう、飛行機は人間に注意喚起してくれています。飛行機に引かれている線は、それぞれにきちんと意味があるのです」(JAL機の整備士)

【了】

【写真】すごい位置にあった! ステアリング操作に不可欠な「もう一つの赤い線」

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