旅客機の前脚ドアに「赤い線」何かの警告? もう一本「隠れ赤い線」も 重要なその“意味”

地上では開いた状態となっている、旅客機の前脚を格納するドア。この「前脚ドア」には、赤い線が引かれています。どのような目的で引かれているのでしょうか。整備士に聞いてみました。

「トーイング」で使用

 旅客機の前脚(ノーズギア)上部には、上空で脚をしまうときに閉じるドアが、開いた状態で見えています。そして、この前脚のドアには「赤い線」が引かれています。どのような意味があるのでしょうか。

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JALのボーイング767の前脚。赤い枠のなかが前脚ドア(乗りものニュース編集部撮影)。

 JAL(日本航空)機のとある整備士によると、この「前脚ドアの赤い線」は、地上で飛行機の支援を行うグランドハンドリングの際に用いるといいます。

「飛行機は原則、自力でバックはしないので、駐機場からバックして出ていく際には、『トーイングカー』という車両に押してもらいます。このトーイングカーは飛行機の前脚のステアリングを操作し、飛行機の向きを所定の方向に変えることができるのですが、この赤い線は、そのときトーイングカーの運転手に『これ以上前脚のステアリングを切れません』という目印の役目を果たしています」

 また同氏によると、前脚のタイヤを支える支柱下部にも赤い線が引かれていることが多いそうで、この線がドアの赤い線を越さないようにけん引をするのだそうです。

【写真】すごい位置にあった! ステアリング操作に不可欠な「もう一つの赤い線」

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