「時刻通り通過しました」の街・三河安城 市はどう思っているのか? ネタにされすぎた街の逆襲

「時刻通り通過」を逆手に取った取り組みとは

 この車内放送を逆手に取った取り組みの一つとして、市は2021年の秋に「三河安城駅で定刻以上に滞在してみませんか?」と題したポスターを作成し、SNSにも投稿しています。自治体の公式ツイッターは“スルー”される投稿も多い中、この投稿は通常と比べて100倍以上既読されるなど、予想を上回る反響があったようです。

 さらに、市では「定刻通りに通過させない多目的交流拠点(アリーナ)を活かした協創のまちづくり」をテーマに、駅周辺を対象に「街をつかいたおす」アイデアを求める「デザインコンペin三河安城」を2022年に実施しています。

 この多目的交流拠点は、駅から徒歩3分の場所に、プロバスケットボールチーム「シーホース三河」のホームアリーナ(収容人数約5000人)などが入り、2026年に完成する予定です 。

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三河安城駅(画像:写真AC)。

 もともと三河安城駅周辺は、新幹線駅の開業をきっかけとした土地区画整理事業によって整備され、居住者が増加してきた経緯があります。駅の利用者数もコロナ禍前までは増加傾向にありました。一方、街に人の交流を促すような機能が不十分で、潜在能力を活かせていない課題があるといいます。
 
 今後、駅周辺に「スポーツ」という要素が加わることで、新たな交流が生まれて「時刻通り通過」させない街になれるのか、これから三河安城の逆襲が本格化しそうです。

【了】

【「定刻通りに通過させない」?交流拠点のイメージ】

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コメント

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1件のコメント

  1. かつては新横浜がその地位にあったな
    全列車が停車するようになった今では考えられないけど