車線をはみ出すよそりゃ… 東京の幹線道路「狭すぎる車線」のワケ 安全性に難 見直しも進行中

狭すぎる車線やめます=「車線減」

 しかし、こうした幅の狭い車線も少しずつ見直しが進んでいます。自転車が増えてきたためです。

 都は2021年、「東京都自転車通行空間整備推進計画」を発表し、2040年代までに都道の自転車通行空間を約1800km整備する方針を掲げています。その先行整備区間のひとつとなったのが、井の頭通りの吉祥寺駅周辺区間です。

 杉並区から武蔵野市へ入り、そこから約600mのあいだは、4車線から2車線に減らされ、左側に自転車レーンが整備されました。これにより、中央分離帯を挟んで3.25mの車線+1.75mの自転車レーンに構成が再編されています。

 吉祥寺駅は都内でも自転車の乗り入れが多い駅のひとつで、井の頭通りでは年間30件程度の事故が起きていたそう。ここは安全性に問題がある一方、車道を4車線から2車線に減らしても交通状況への影響がなく、自転車通行空間の整備が「現時点で実施が可能な箇所」という理由から選ばれたところでした。

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環七通りの6車線区間。左側の車線は「路肩込み」で幅が確保されている(画像:Google)。

 市街化された都内の道路は、道路全体を部分的に拡幅することには困難をともないます。都は既存の道路についても、こうした道路空間の再編により自転車通行空間の確保について検討するとしています。

【了】

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