「黄色い"てんじょうブロック"の内側へ」ってなんだ? 京王の駅放送 「点字」と言わないのは"当然"?
京王の駅の列車接近アナウンスで、「てんじょうブロックの内側でお待ちください」という、聞き慣れない表現があります。なぜこのような表現にしているのでしょうか。
聞きなれない表現のワケは
「1番線に、特急・高尾山口行きが、10両編成でまいります。黄色い"てんじょうブロック"の内側でお待ちください」
京王電鉄の駅で、電車がやって来る時のアナウンス内容は、すこし独特です。多くの鉄道会社では「黄色い線の内側へ」「黄色い点字ブロックの内側へ」という表現が使われていますが、なぜ京王は異なる言い方をしているのでしょうか。
この単語の正体は「点状ブロック」です。ひとくちに点字ブロックと言っても、実は「点状ブロック」と「線状ブロック」の2種類があります。
細長い突起が並行に並ぶ「線状ブロック」は、視覚障害者に対し、主に移動経路を案内するもので、別名「誘導ブロック」とも呼ばれます。いっぽう「点状ブロック」は、別名を「警告ブロック」と言い、転落や衝突といった危険の可能性を知らせるものです。
京王は駅のアナウンスについて、「国土交通省が策定した、公共交通機関に対するいわゆる『バリアフリー整備ガイドライン』での記述に基づいています」と話します。
このガイドラインは1983(昭和58)年の「公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドライン」以来、順次改定され、現在の「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン」に至ります。
ガイドラインでも点字ブロックははっきりと2種類に分けられ、線状ブロックは「出入口から改札口を出て乗降口に至る経路」などに、点状ブロックは「階段、傾斜路およびエスカレーターの上下端、ホームの縁端」などに敷設すると定められています。
つまり、点字ブロックの中でも特に「ホーム端の警告ブロック」と特定しやすくするため、アナウンスでも「点状ブロック」の表現が使われているというわけです。
アナウンスに「点状ブロック」が使用されるようになったのは、京王によると2018年のこと。それまでは、一般的な「黄色い線の内側でお待ちください」の文言が使われていました。
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