そこは「飛行機の墓場」…だけじゃない? 異例の公開 JAL機の”眠りの地”で話題のビクタービル空港
墓場だけじゃないビクタービル空港の内部
そのひとつが、「MRO」と呼ばれる、航空会社を問わない航空機整備事業の拠点としての顔です。たとえばComAv社などはここに拠点を構え、中古機の解体のほかにも、航空機整備の場としてビクタービル空港を使用しています。
JALの担当者によると、この空港は完全に今後どこへも飛ばない飛行機だけを扱うだけではなく、飛行機を”回復”させて次の活躍の場へ送り出す――この役割を担っているのも特徴だそう。つまり、俗にいう「飛行機の墓場」とは正反対の側面も持ち合わせているということもできるでしょう。
そんなビクタービル空港は経済活動に特化しているだけあって、定期旅客便の乗り入れもなく、したがって一般的な空港のようなターミナルビルなどはありません。周囲は商店もない砂漠地帯に、いきなり空港を活用する企業のビルや倉庫が立ち並んでいるようなイメージです。
なお、今回のビクタービル空港の内覧は、国内航空会社として初となる「退役機の売却にともなう回送便(フェリー便)に乗客を乗せ、日本を離れる」というチャーター(貸切便)企画で実現しました。チャーター便ではフライト終盤、ビクタービル空港上で低空飛行(ローパス)するなどの革新的な取り組みを実施。このフライトを担当したJALのボーイング777-200ER初号機「JA701J」は、チャーター企画を経て、ビクタービル空港に現地時間5月18日に到着。ここでJAL機としての役割を終え、眠りについています。
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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