ウクライナ軍へ渡る自衛隊車両3車種どんなもの? 外国軍への供与は史上初 100台規模で

G7広島サミットの閉幕直後、防衛省が自衛隊車両をウクライナに多数提供すると発表しました。具体的に挙げられた3車種はどんな車両なのか、見てみましょう。

災害派遣でも重用される「キャタピラ・ダンプ」

 今回、ウクライナに提供される3車種のなかで、もっとも戦闘車両に似た外観を持っているといえるかもしれないのが、資材運搬車です。

資材運搬車

 前出の1/2tトラックや高機動車が4輪駆動車なのに対して、資材運搬車は戦車などに似た無限軌道、いわゆるキャタピラ式の足回りを持っています。ただ、戦車のような鉄板をピンで連結した形ではなく、鉄芯入りのゴムでできた一体型履帯で、建機メーカーや建設現場などの関係者は「クローラー」という呼称の方が馴染みあるかもしれません。

 車体サイズは全長4.3m、全幅約2.1mで、大型トラックの荷台に載せて運ぶことが可能です。小型乗用車と同程度なので、大型トラックや油圧ショベルなどが入れない隘路も進むことができ、さらに狭小地でも活動できます。それでいて前述したような悪路に強い足回りのため、泥濘地や湿地、山間地でも活動できる特性を持っています。

 民生品を転用し小改良を加えただけの車両であるため、基本的にはT字型ハンドルを前後左右に傾けるだけで動かせる構造で、運転はしやすいです。その一方で、優れた多用途性も兼ね備えています。積載量約3tの荷台は、ダンプトラックのように油圧シリンダーで後方に傾けることができ、車体中央に備えた吊り上げ能力約2tのクレーンと合わせて使うことで、人力で運べない重量物でも、自力で撤去から運搬、廃棄まで行えます。

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陸上自衛隊の資材運搬車(乗りものニュース編集部撮影)。

 運転のしやすさ、使い勝手の良さ、そして民生品転用ゆえの調達コストの安さなどから、資材運搬車は全国の部隊に広く配備され、災害派遣でも多用されています。また、ときにはボディを白く塗って、PKO活動などの国際貢献任務でも使われています。

 

 資材運搬車は1990年代初頭から調達されており、すでに約30年の運用実績を持っています。いうなれば陸上自衛隊の支援車両のなかでも屈指の汎用性を誇るものといえるでしょう。

※ ※ ※

 

 防衛省ではこれら車両について、準備が完了した車両からウクライナへ順次提供を行っていくとしています。また、あわせて非常用糧食約3万食も追加提供するそうです。

 今回の発表は、G7広島サミットが閉幕した直後にリリースされたものです。もしかしたら、第2、第3の発表も控えているかもしれません。

【了】

【みんな真剣な眼差し】見たことある? 資材運搬車の運転訓練ほか

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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