ウクライナ軍へ渡る自衛隊車両3車種どんなもの? 外国軍への供与は史上初 100台規模で
G7広島サミットの閉幕直後、防衛省が自衛隊車両をウクライナに多数提供すると発表しました。具体的に挙げられた3車種はどんな車両なのか、見てみましょう。
全国津々浦々で見かけるメジャー車両
防衛省は2023年5月21日、ウクライナ政府からの要請を踏まえ、新たに自衛隊車両を100台規模で提供することを決めたと発表しました。
いったん防衛省へ納入された自衛隊向けの車両が、戦闘中の外国軍へ提供されるのは事実上初めて。提供されるのは「1/2tトラック」「高機動車」「資材運搬車」の3種類ですが、これらはどんな車両なのでしょうか。
1/2tトラック
1/2tトラックを簡単に説明するなら「最も乗用車に近似した自衛隊専用車両」といえるでしょう。
大きさは全長約4.1m、全幅約1.8m、重さは約1.95tです。いわゆるジープタイプの4輪駆動車で、乗車定員は6人です。ほぼすべての陸上自衛隊部隊で運用されているほか、一部の海上自衛隊や航空自衛隊部隊にも配備されており、最もポピュラーな自衛隊車両といっても過言ではないかもしれません。
メーカーは三菱自動車で、原型は同社が開発したSUV「パジェロ」。1996(平成8)年から導入が開始されており、当初は「73式小型トラック(新)」という名称でしたが、2001(平成13)年度納入車から現在の名称に改められています。その後も、排ガス規制への対応などでエンジンを新型に換装するなど、細かなモデルチェンジを繰り返しつつ四半世紀以上にわたって調達が続いています。
自衛隊専用車両として、後輪のサスペンションを板バネに変えるなどの細かい仕様変更はあるものの、高機動車などと比べると乗り心地は市販車とほぼ変わらず、「普段の足」として都市部でも比較的よく目にすることの多い車両でもあります。
高機動車
高機動車は、1/2tトラックよりは配備部隊は限られるものの、自衛隊車両の中では比較的メジャーな車両です。1/2tトラックよりも車体サイズが大きく、より大きなものや大人数を乗せることができます。
車体サイズは全長約4.9m、全幅約2.2mで、重さは約2.7t。人員輸送モデルの乗車定員は10人ですが、後部を荷台にした、いわゆるピックアップトラック仕様の車体なら、後部に1.5t程度のものを積載することが可能なため、様々な装備のベース車体としても数多く用いられています。
納入元はトヨタですが、生産は子会社の日野自動車が担当しています。なお、よく似たクルマとして、アメリカ製の軍用車両「ハンヴィー」があります。一見するとよく似ていますが、高機動車は「ハンヴィー」よりも多くの人員を載せることができます。
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