F1復帰のホンダが組む「アストンマーティン」かつて「インドのチーム」だった!? 愛すべき中堅チームは急成長中
インドのチームが「アストンマーティン」になるまで
フォース・インディアは長く経営不安がささやかれていましたが、それが決定的となったのが2018年で、チームそのものが消滅の危機に瀕していました。ペレスは率先してチーム存続に向けて働きかけ、チームは買収されて「レーシング・ポイント」という新体制で存続することとなりました。そして2020年サヒールGPではペレスが悲願の初優勝を達成。チームの歴史としては、ジョーダン時代の2003年第3戦ブラジルGP以来17年ぶりの快挙でした。
ところで、破綻寸前のフォース・インディアを救ってチーム買収したのは、カナダ人実業家のローレンス・ストロールです。もともと彼は「マイケル・コース」などファッション業界中心の経営に関与していましたが、息子のランスがレースの道を歩んだため、F1への夢に向けて支援を続けていました。
ランス・ストロールは2017年にウィリアムズからF1デビュー。資金援助でデビューしたとはいえ、落ち目のチームで史上最年少のデビュー年表彰台獲得者となるなど、才能の片鱗を見せていました。父ローレンスは2019年、買収したチームにさっそく息子を移籍させます。
ローレンス・ストロールは自動車メーカーとしてのアストンマーティンを買収済みで、2021年に満を持して自分のチームを「アストンマーティン」に改名。今に至るというわけです。
ホンダの記者会見で"いかにもやり手"なオーラ(?)を放っていたローレンス。所有者の立場からチームを指揮し、ルール上で可能な限りの資金を投入、さらに2度チャンピオンを経験しているフェルナンド・アロンソを獲得します。その甲斐あって、ことし2023年は"万年中堅チーム"が嘘のように、表彰台常連、ランキング2位のチームに飛躍しています。
そんな最中に発表された、ホンダのハイブリッドエンジン供給決定。前回の、5年連続チャンピオンの強豪「レッドブル」とのタッグが発表された時と比べて、「アストンマーティン?強いのそれ?」という反応が見られました。しかしチームの歴史と最近の「ものすごい急成長」を知るファンは、興奮を隠せない状況となっています。
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