ウクライナ兵器の「国内生産」「NATO化」着々? 国産戦車の変貌に見え隠れする独企業 反転攻勢後の筋書きとは

2023年5月に入ってからウクライナ国内で兵器を生産しようとする動きが急速に活発化しています。その一環で、もしかしたら旧ソ連系とNATO系、両方の血を引くウクライナ製の戦車が誕生するかもしれません。

KF51「パンター」よりも生産しやすいかも

 前述したようにウクライナ軍には現在、「レオパルト2」などNATO規格の戦車が大量に供与されています。そしてそれらを用いて、近いうちに同軍がロシア軍に対して反転攻勢を実施することはほぼ確実です。

 激戦を繰り広げれば、当然生じるであろうこれらNATO規格戦車の損耗補充用として、自国内で生産・調達できる「オプロート」にその役割を担わせるのは、生産の開始さえ間に合えば、十分に考えられることです。そしてそのときに、やはり「ヤタハーン」の進化系といえる「ロシア規格とNATO規格のハイブリッド」とでもいうような戦車が生産されるのではないかとも推察できます。

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ドイツ製のレオパルト2A4戦車(画像:ウクライナ国防省)。

 なお、そのような戦車であれば、現状ではウクライナ側に生産体制がまったく整っていないKF-51「パンター」よりも準備に手間取ることなく、比較的速やかに生産できます。つまり、将来的にはKF-51の生産を見据えていたとしても、戦時下の「ストップ・ギャップ」として、このような戦車を生産する可能性もあるとは考えられないでしょうか。

 もしかしたら、ウクライナ国防省はすでにNATO規格の兵装を盛り込んだ「オプロート」を発注しているものの、それを単に「オプロートの生産要求」とぼかして表現し、発表しているのかもしれません。

 現状では、あくまでも筆者の推測の域を出ないものの、冒頭に述べたとおり、ウクロボロンプロムでの「オプロート」の生産と、ウクライナ国内へのラインメタルの現地合弁会社設立といった動きを見ていると、これらがリンクしている可能性は捨てきれないのです。

【了】

【見分けつく?】ウクライナ独自開発の戦車T-84と「オプロート」を見比べ(写真)

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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