「F-35くれないなら自分で作る!」国産ステルス戦闘機を生み出したトルコの思惑 無人機大国の“親分”登場か

トルコが自国イベントで国産ステルス戦闘機を初めて一般公開しました。「カーン」という愛称が付与された同機は2030年ごろから量産化する予定だとか。なぜトルコは独自にステルス機を造ったのか、その経緯と同国空軍の将来を推察します。

「カーン」誕生でトルコは“世界で5番目”の国に

 トルコは「カーン」の試作機が完成したことを受け、自国がアメリカ(F-22とF-35)、ロシア(Su-57)、中国(J-20)、韓国(KF-21)に続き「第5世代戦闘機の開発に成功した5番目の国となった」と、その成果を内外に向けて強調しています。

 TAIによると、カーンは2030年ごろから量産を行い、2070年代まで運用する計画とのこと。このタイムスケジュールを勘案すると、長期にわたってトルコ空軍の未来を託す主力戦闘機になるといえるでしょう。

 2023年5月現在、トルコ空軍の主力戦闘機はF-16ですが、老朽化の進んだF-4E「ファントムII」も相当数まだ現役にとどまっており、機材の世代交代が課題となっています。今回発表された国産戦闘機「カーン」をはじめとする新型機は、旧式のF-4EだけでなくF-16も代替し、航空戦力の主力になると同国では期待されています。

 トルコは、ロシア製対空ミサイルS-400を導入したことがきっかけとなり、アメリカからF-35「ライトニングII」が導入できなくなっています。そこで、事業参画が凍結されているF-35に頼らずとも、同じ第5世代戦闘機である「カーン」を中心に、無人機の「クズルエルマ」や「アンカ-3」を連携させることで高度な航空作戦を実行可能にしようと画策している模様です。

 

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トルコ空軍のF-16(右手前)とF-4E、2種類の戦闘機(画像:トルコ空軍)。

 国産機で何とかしようとしているといえるトルコ空軍の未来。なお、トルコは戦車や攻撃ヘリの分野でも「アルタイ」や「ATAK-2」を独自開発するなどしており、NATO加盟国ながら、アメリカの協力を得なくても一定程度の戦力を確保できる方向で動いています。

 侮れないトルコの兵器開発力。ひょっとしたら、近い将来、世界屈指の武器輸出大国としての地位を確立し、中東における独自のポジションを築いているかもしれません。

【了】

【どこかで見た形?】トルコが生み出したステルス無人機「アンカ-3」ほか(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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