「F-35くれないなら自分で作る!」国産ステルス戦闘機を生み出したトルコの思惑 無人機大国の“親分”登場か
トルコ版F-35? カーンの実力とは
「カーン」の最大速度は高度4万フィート(約1万2000m)でマッハ1.8。アフターバーナーを使用せずとも超音速飛行が可能な「スーパークルーズ」能力も付与される計画です。機体構造はプラス9G、マイナス3.5Gをリミットとしていますが、Gによる負荷は機体重量によって変化するので、武装や燃料の搭載量など、どのような状態を想定したものなのか、そのあたりは明らかになっていません。
機体には、NATO(北大西洋条約機構)のデータリンクにも接続可能な通信システムが搭載されているほか、既存のF-16戦闘機や早期警戒管制機、さらに無人機とも連携可能な能力が付与されているそう。これにより優れた状況認識能力をパイロットが手にすることにつながっている一方、パイロットの負荷は軽減されるとしています。
キャノピーは前ヒンジで開閉する構造で、その中にあるコックピットは、最新の戦闘機らしく、大型の多機能ディスプレイ(MFD)が計器盤のかなりの面積を占めるデザインとなっています。なお、ヘッドアップディスプレイは設置されていないことから、必要な情報をヘルメットのバイザーに投影する方式が採用されているようです。
操縦桿はサイドスティック方式で、それを含めて前出のコックピット周りはかなりの部分で最新ステルス戦闘機F-35「ライトニングII」に近似したものとなっています。
エイのような無尾翼機「アンカ-3」も誕生
前出の国家イベント「未来世紀推進プログラム」で、「カーン」と同時に初公開されたのが、無人機「アンカ-3(ANKA-3)」です。開発元は「カーン」と同じくTAIで、2022年12月に初飛行したバイカル・テクノロジーズの無人戦闘機「クズルエルマ」と同様、将来は「カーン」と協調して戦闘任務を実施することを企図しているといいます。
「アンカ-3」はエイのような姿をした無尾翼機(全翼機)で、搭載した各種センサーを使った情報収集任務のほか、胴体内2か所のウエポンベイに各650kg、翼内側のステーションに左右で650kgずつ、翼外側のステーションに100kgずつの弾薬(精密誘導爆弾、巡航ミサイルなど)を搭載することが可能だそう。武装して飛び立った後は、有人戦闘機である「カーン」の指揮により、「クズルエルマ」などと連携して各種攻撃任務にあたるとされています。
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