川崎にラウンドアバウト? いいえ「ロータリー交差点」です 構造ほぼ同じ 一体何が違うのか

なぜロータリーを設置? 3社局へ聞いてみた

 ロータリーは進入優先のため、交差点の手前にはラウンドアバウトで見かける「ゆずれ」の道路標示はありません。道路標識も青地に白矢印の規制標識ではなく、「ロータリーあり」という先述の黄色い警戒標識です。

 ただし、この交差点は南北方向の道路に一時停止義務があります。ロータリーへ進入するクルマが優先とはいえ、停止線で一時停止しなければ違反となります。逆にラウンドアバウトの場合は、基本的に環道へ入る際の一時停止は不要とされています(意図的に一時停止を設けている場合もある)。

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現場の手前50mに設置されている「ロータリーあり」の警戒標識(2023年6月、乗りものニュース編集部撮影)。

 ところで川崎市内のこの場所には、なぜロータリーが設けられたのでしょうか。道路の維持管理を担う、宮前区役所道路公園センターや川崎市地域整備推進課まちづくり局、さらには一帯を開発した東急電鉄に取材しましたが、いずれも明確な資料がなく、詳細は不明とのことでした。

 ただし東急電鉄の広報担当者は、1967(昭和42)年に同社が宅地開発に携わった当時から、ロータリーは形成されていたと話します。また、前出のまちづくり局の担当者は、推定の域を出ないと前置きしたうえで、以下のように話しました。

「イチから開発した新しい街だったからこそ、当時のトレンドとして、信号機を設けないロータリーを作ったのではないでしょうか」

 現在、ラウンドアバウトが数を増やしているように、60年ほど前はロータリーが流行ったのかもしれません。事実、かつては東京都区部の幹線道路などでもロータリー交差点は見られました。しかし交通量が増えると先述の理由で渋滞が顕在化。陸橋を建設する、信号機で制御するなど対策をし、今ではほとんどが姿を消しています。

【了】

【航空写真】開発当初のロータリー

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コメント

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1件のコメント

  1. いつも楽しく拝読しております。
    貴サイト関連他媒体となりますが、2023/6/22のくるまのニュースの記事「ホームセンター内に「ロータリー道路」なぜ出来た?全国でも珍しい駐車場内「町道」誕生のワケ」の内容と矛盾しており混乱しております。
    具体的には、群馬県吉岡町の町道は環道優先ですが記事内ではロータリーと称しており、現場の写真にも青の規制標識(ラウンドアバウトあり)ではなく黄色ひし形の警戒標識(ロータリーあり)、その他ロータリーの記載のある看板が設置されております。
    もしよろしければ、補足加筆または修正で記事内容をより深めていただければと思いました。