なぜあんなにスゴイのか「新潟の無料バイパス」 交通量もスペックも超ド級 有料高速が顔負け?
50年も機能が損なわれないワケ
3つのバイパスの大きな特徴は、全区間が盛土された立体構造であることです。これは新潟バイパス以来のもの。その構想段階では、高規格ゆえに必要性の議論もあったといいますが、立体構造であれば、「その後に沿道の開発が進んでも本線交通への影響が少ない」と考えられたそうです。
当初は郊外だったバイパス周辺が次第に都市化し、ロードサイド店が立ち並び、交通渋滞が顕在化していく--そのような多くの都市で見られる問題を回避し、50年以上にわたって膨大な交通量をさばき続けている秘訣が、この立体構造にありそうです。
なお、新潟バイパスの盛土材は、関屋分水路の開削と新潟東港の掘削で出た土砂が利用されています。これがコスト縮減に大きく貢献したのだとか。
新潟バイパスと北陸道の開通後、バイパスの延長部として、新潟西バイパスと新新バイパスが建設されます。拡幅やICの立体化などを経て、3バイパスが現在の姿になったのは2009(平成21)年のことです。そして2023年現在、新潟西バイパスをさらに西へ延ばす「新潟西道路」の事業も進んでいます。
ちなみに、新潟西バイパスの新潟西IC~黒埼IC間は、北陸道の一部が国道バイパスへ編入された全国でも珍しい区間です。バイパスとの接続点が新潟西ICに変更となった北陸道は、その後延伸して磐越道と接続、さらに日本海東北道が北へ延伸しています。
【了】
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