欲しいのは18きっぷ愛好家だけ? 静岡県内の東海道本線に「快速がない」ワケ JR東海の答えは

愛知県区間には新快速があるワケ

 静岡県が公開している駅の乗車人員データを見ると、新幹線停車駅以外の駅は主要駅で数千人になるものの、そのほかの駅では差があります。乗車人数が3桁台の駅もあれば、1000人台、2000人台、3000人台、4000人台と別れます。快速停車駅の設定として、どの利用者数で線引きをするか悩みどころです。

 また、データは公開されていませんが、すべての駅の乗車客が静岡駅や浜松駅で降りるのではなく、1000人~2000人台の駅の利用者が3000人~4000人台の駅で降りるという傾向がある場合、3000人~4000人台の駅だけを結ぶ快速列車にはさほど需要がないともいえます。

 JR東海は2021年3月から、東海道本線のすべての駅でIC乗車券「TOICA」に対応したので、乗客の動向はしっかり把握した上で「快速は不要」という判断をしているようです。

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東海道本線の静岡県内区間(赤丸)と、東海道新幹線の停車駅(青丸)(地理院地図を元に筆者作成)。

 一方、愛知県内区間では新快速が頻繁に運行されていますが、この理由もJR東海に尋ねてみました。

「お客様のご利用状況を鑑み、特定の区間に限った速達化ではなく、運行区間全体の速達性が向上するように新快速を導入しています」(JR東海)。

 新快速といえば、新幹線「こだま」停車駅の三河安城駅には停まりません。これも、新幹線を利用する客が、同駅周辺の駅をまんべんなく利用しているという状況を把握しているからだと思われます。

 ちなみにIC乗車券を元にしたデータでは、青春18きっぷの利用区間を反映できません。こういった状況を考えると、実は静岡県内の東海道本線利用者の不満は小さく、青春18きっぷ利用者のうち、静岡県を通過する利用者にとっては不満がある、という構図も見えてきます。

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コメント

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1件のコメント

  1. 東海道線の静岡県区間(熱海〜豊橋間)には、ほぼ在来線に並行して東海道新幹線が走っていて、最低でも「こだま」が1時間あたり2本運転されている。
    つまり静岡県内完結であっても速達性を求めるのなら「新幹線を利用してください」となるのである。