首都圏JR「コロナからV字回復した駅」ランキング 山手線は南北で“明暗” 客足は本当に増えた?

JR東日本が2022年度の各駅乗車人員を公表しました。コロナ禍となって3年。コロナ禍前のデータと比較すると、どのような傾向が見えてくるでしょうか。減少率をひとつの尺度に、ランキング形式で見てみます。

定期外の利用はコロナ禍前の水準に近づく

 ワースト10がすべて都心の山手線とその内側の中央線の駅だったのに比べ、ベスト10は神奈川、埼玉、千葉各県内の駅が8つも占めています。

 1位の桜木町駅は、2020年に新南口(市役所口)が開設し、駅に隣接して商業施設やホテルのあるJR桜木町ビルがオープンしたことが寄与したと考えられます。また、北朝霞駅や南越谷駅のように、郊外住宅地の最寄り駅が多いのも特徴的です。

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中央線の国分寺駅付近(2023年2月、内田宗治撮影)。

 定期券利用者と定期券外利用者それぞれのデ-タも見てみましょう。コロナ禍前(2018年度)に比較して2022年度では、定期券外利用者は-15.3%にまで回復しているものの、定期券利用者は-23.9%と回復が鈍くなっています。

 単発の利用で遊びなど様々な用事で出かける人の数はコロナ禍前の水準に近づいてきましたが、定期券を利用して通勤通学していた会社員や大学生は、リモートワークやリモートでの授業がある程度浸透し、コロナ禍前の状況へ完全には戻っていないことを示しています。

 山手線の南側半分、特に東京~品川~大崎間に大企業中心のビジネス街が集中していることを考えると、こうした結果もうなずけます。

 観光庁によると、2022年(暦年)の日本人の延べ宿泊者数は、2019年に比べ-9.6%にまで回復しています。旅行にしろ近場のお出かけにしろ、通勤通学以外で外出するという点では同じと考えると、定期券外での利用回復はさらに進むと思われます。定期券利用者に関しては、コロナ前に比べ10~20%程度減少したまま留まる可能性もありそうです。

【了】

【奇跡?】利用者「ガタ落ち→V字回復」した駅です(写真)

Writer:

フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(ちくま文庫)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。

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