「バイラクタル」陸自ついに導入か ウクライナの英雄的トルコ製無人機で“部隊”編成? その背景

陸自は無人機をどう使う? 改良型バイラクタルは◎か

 陸上自衛隊の多用途無人機は、現在OH-1観測ヘリコプターが担当している情報収集と、AH-1S対戦車ヘリコプター、AH-64D戦闘ヘリコプターが担当している近接航空支援の任務を引き継ぎます。防衛省や陸上自衛隊は、これに加えて、対戦車ミサイルや精密誘導爆弾などの兵装の搭載も可能なMALE(中高度長時間滞空)に分類されるUASの導入を念頭に置いているものと見られます。

 このたび調査されるバイラクタルTB2Sは、衛星通信機能の追加により、バイラクタルTB2よりも制御可能な距離が拡大されています。陸上自衛隊が多用途無人機に求めている性能を充たすUASだと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思いますし、ロシアとウクライナの戦いをはじめとするいくつかの紛争で、その能力は証明されています。

 防衛省は2022年12月22日に行われた令和5年度防衛予算案のメディア向け説明会で、陸上自衛隊の多用途無人機について、「あくまでも一例である」との前置きこそ付けてはいたものの、バイラクタルTB2の名前を挙げていました。

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「インドゥ・ディフェンス2022」のバイカル・テクノロジーズのブースで展示されていたバイラクタルTB2の模型(竹内 修撮影)。

 また、筆者は2022年11月にインドネシアの首都ジャカルタで開催された防衛装備展示会「インドゥ・ディフェンス2022」の会場でバイカル・テクノロジーズのスタッフから話を聞く機会を得ました。対応してくれたスタッフは慎重に言葉を選びながらも、防衛省と陸上自衛隊がバイラクタルTB2に大きな関心を示していることは認めていました。

 前に述べたメディア説明会における防衛省の説明や「インドゥ・ディフェンス2022」におけるバイカル・テクノロジーズのスタッフの口ぶりから見て、バイラクタルTB2Sの調査は無人アセット防衛能力という概念が打ち出された2022年の夏には決まっていたのではないかと筆者は思っています。

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