あまりに「碓氷峠に特化しすぎた」? マッスル機関車EF63 “横軽”とともに消えたワケ

鉄道は本来、勾配が苦手です。そのため峠越えの区間では、勾配がゆるやかになるよう線形を工夫したり、補助用の機関車を付けたりしますが、かつて国鉄・JRで最も急勾配の区間だった「横軽」こと碓氷峠には、特別に造られた超強力な補助機関車が活躍していました。

新幹線開業でEF63お役御免に

 ただ、国内屈指の高性能機関車であったEF63の活躍も1990年代後半に終わりを告げます。理由は1997年10月、北陸新幹線の高崎~長野間が部分開業したからです。

新幹線は駅間が長いこともあり、高崎から少しずつ登る線形により全体の勾配をゆるやか(30パーミル)にすることで、碓氷峠の急峻さに対応したのです。ただ、それでも計画当時の新幹線規格である12パーミルをはるかに上回るものとなっていました。

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アプト式機関車のピニオンギヤ(咲村珠樹撮影)。

 こうして、新幹線が開通したことで、信越本線は大きく見直されることになります。まず、並行する在来線区間のうち、高崎~横川間は信越本線のまま維持、一方、軽井沢~長野間は第3セクターのしなの鉄道へ移管されました。

ただ、一番の難所である碓氷峠は廃止、バス路線への転換が決まります。要因は、この区間を利用する旅客数が望めないこと、そして関東と新潟を結ぶルートとしては、より短距離かつ勾配のゆるやかな上越線(1931年全通)が存在するため、貨物列車用としても重要視されなかったことなどが挙げられます。

ちなみに、この横川~軽井沢間は、1987年のJR東日本発足後、初めて廃線したケースとなりました。

 また、ここで使われていたEF63電気機関車も、ほかの線区へ転用されることなく廃形式となっています。その大きな理由は、あまりにも碓氷峠に特化しすぎていたからでした。EF63は、その「能力全振り」な設計が災いし、ほかの線区へ転用できなかったのです。しかし、人気を集めた機関車だったこともあり、意外な“第二の人生” を歩むことになります。

【489系特急引く往時の姿も】EF63電気機関車の走る姿&各部のディテール(写真)

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