あまりに「碓氷峠に特化しすぎた」? マッスル機関車EF63 “横軽”とともに消えたワケ

鉄道は本来、勾配が苦手です。そのため峠越えの区間では、勾配がゆるやかになるよう線形を工夫したり、補助用の機関車を付けたりしますが、かつて国鉄・JRで最も急勾配の区間だった「横軽」こと碓氷峠には、特別に造られた超強力な補助機関車が活躍していました。

“運転体験できる電気機関車” へ転身!

 1999年4月、横川駅そばにあり碓氷峠区間の廃止とともに閉鎖された横川運転区の跡地に「碓氷峠鉄道文化むら」が開園すると、碓氷峠を象徴する存在として、EF63はここで保存されることが決まります。

 ユニークなのは、残っている7両のうち動態保存されている4両が「運転体験」できること。施設で実施される学科・実技講習を受講し、修了試験に合格した人を対象に、保存されている旧信越本線の線路上(約400m)で往復運転を体験できるのです。

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碓氷峠鉄道文化むらに保存されているEF63(咲村珠樹撮影)。

 実技講習を繰り返し受講することで、段階に応じ運転体験できる内容は増えていき、最終的には現役当時のようにEF63を2両連結した「重連運転」まで可能になるといいます。かつての本線で電気機関車を恒常的に運転体験できる例は他になく、ファンにとってはたまらないといえるでしょう。

 現役当時は「峠のシェルパ」と親しまれ、廃車後もファンに運転体験の機会を提供しているEF63。碓氷峠の急勾配に能力を全振りしたその個性ゆえに、ある意味、幸せな余生を過ごせているのかもしれません。

【了】

【489系特急引く往時の姿も】EF63電気機関車の走る姿&各部のディテール(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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