自動改札に入れちゃダメ! 改札口の「うらが白色のきっぷ」表示 どんなきっぷがあるのか

駅の改札口で、「うらが白色のきっぷ」という案内表示を見たことがある人もいるでしょう。ただきっぷの裏といえば、磁気が仕組まれた黒いものを想像しがちです。白いきっぷとはどんなものなのでしょうか。

身近な例だと振替乗車票も

 JRなど駅の改札口で、自動改札機がなく有人窓口が設けられたレーンに、「うらが白色のきっぷ」という案内が出ているのを見たことがある人も多いでしょう。交通系ICカードが普及して久しいですが、きっぷの裏といえば磁気が塗られ“黒い”はず。そこが白いとは、いったいどんなきっぷなのでしょうか。

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駅の改札口イメージ。改札機のないレーンに「うらが白色のきっぷ」の案内がある(2023年8月、大藤碩哉撮影)。

 上述の通り有人窓口へ案内されるということは、自動改札機を通せないきっぷということ。つまり磁気が仕組まれていないわけです。正確には、磁気きっぷには「磁性体」と呼ばれる磁気を帯びた物質に区間や有効期間などの情報が書き込まれており、自動改札機はこれを読み取ることで有効なきっぷかどうかを判定しますが、磁性体がない白いきっぷでは判定できません。そこで、駅係員に券面を確認してもらう必要が生じます。

 では「うらが白色のきっぷ」にはどんな種類があるのでしょうか。代表的なのは、自動改札機などが導入されていない地方都市の鉄道などで見られる硬券です。その名の通り厚くて硬く、利用の際は駅係員にはさみを入れてもらいます。

 JRでも、自動券売機が導入されていない地域では窓口で乗車券などを買いますが、その際に発行されるのも「うらが白色のきっぷ」です。発行日や入出場駅などの情報以外があらかじめ印刷されているため、常備券と呼ばれるほか、硬券に対し軟券とも呼ばれます。

 一方、常備券にない区間を利用したり、列車内で清算したりした場合に手書きで発行される補充券も該当します。「うらが白色」という表現には、「自動改札機は通れない」ということを、白か黒かの色で分かりやすく示す意味合いがあるのです。ほかにも振替乗車を利用する際の振替乗車票や、記念行事に合わせ発売される記念きっぷなども、磁気が塗られていなければ有人窓口を通る必要があります。

 ただし、裏が黒色であっても自動改札機を通せないきっぷがあります。代表的なのは、JR全線の普通列車などが乗り降り自由となる「青春18きっぷ」です。利用する前に、券面の「へそマーク」(上下にやや長い丸印のなかに×印が描かれたもの)や案内をよく確認するとよいでしょう。

【了】

【初めて見た?】「うらが白色のきっぷ」です(写真)

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