史上最大「ジャンボジェット」火消し機どこへ? 相次ぐ山火事「空中消火機」のいま

山火事の多いアメリカにはボーイング747やDC-10といった大型旅客機を改造した消防専用機が存在します。これらはどのような経緯で生まれたのか、そしてどれぐらいの水や消火剤を積めるのでしょうか。

タンク容量に驚愕! 史上最大の消防用飛行機

 これは、チャーター便を運航していたエバーグリーン国際航空が、ボーイング747-100を改造する形で生み出しました。2機が改造され2006年6月にはFAA(連邦航空局)より改造型式証明を取得しています。完成した機体は「スーパータンカー」と呼ばれ、最大38tもの水を9秒で投下する能力を持ち、これはP-3改造機の7倍の能力に相当しました。

「スーパータンカー」は米国内での活動以外に2009年にはスペイン、2010年にはイスラエルの山火事にも投入されて、その高い消化能力をいかんなく発揮しました。しかし、エバーグリーン国際航空の業績が低迷、最終的には倒産・廃業したため「スーパータンカー」は2013年に運航を停止してしまいました。

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1986年8月、アボツフォード航空ショーで消火剤投下のデモフライトを行う、フォッカーF27改造の空中消火機(細谷泰正撮影)。

 ところが、「スーパータンカー」の圧倒的な空中消火能力は、やはり無視できなかったようで、「スーパータンカー」の復活が動き出します。新たに、グローバル・スーパータンカー・サービシズが設立され、ボーイング747-400を改造して、新たな「ジャンボ・ジェット」ベースの空中消火機が誕生しました。

 使われた機体は、以前JAL(日本航空)で 旅客機として使用されていたものでした(その後、エバーグリーン国際航空が貨物機として使用)。この機体は、前出のボーイング747-100ベースの「スーパータンカー」よりもさらに大きく、最大74tの水もしくは消火剤を搭載することできる能力を持っており、世界最大の空中消火機としても知られています。

 新しい「スーパータンカー」は、2016年に連邦航空局から必要な証明を取得して運航をスタート。消火剤投下時は着進入の時と同じように主翼の高揚力装置を展開し、火災現場上空120mから240mの高度を260km/hで飛行しました。一回の通過で幅46m、長さ4.8kmの範囲に消火剤を散布する能力を持っていました。

【どこから水落としてる?】ジャンボベースの「スーパータンカー」迫力の放水(写真)

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