本当にあるの? 自衛隊の秘密組織「別班」ドラマで話題 “類似部隊”はアフガニスタン派遣済みって?
アフガニスタンへすでに派遣済みか
最後に挙げた自衛隊情報保全隊は、防衛省本省や統合幕僚監部、陸海空の各幕僚監部などがある市ヶ谷駐屯地(基地)に本部を置いています。主な任務は自衛隊内から外部への情報流出を防ぐことで、同じく市ヶ谷に置かれている防衛省情報本部とも協同しています。
この情報流出を防ぐ一環として、国防の核心となる情報に触れることができる隊員の「適格性」、つまり個人のバックグラウンドを調べているともいわれています。なお、前述したように陸海空の三自衛隊による共同の部隊であるため、陸上自衛官も一定数が所属しています。
陸上自衛隊には、このような情報を専門に扱う組織が実際に存在し、各種活動を行っています。最も顕著なのは、2021年に発生した「在アフガニスタン・イスラム共和国邦人等の輸送」任務に自衛隊が従事した際でした。
この時の任務は、イスラム主義勢力のタリバンが、アフガニスタンの首都カブールを占領し、当時の政権を掌握したことで発生した一種の内乱において、アフガニスタン在住の邦人およびその関係者を救出することでした。
その活動を問題なく遂行するために用意されたのが、栃木県の宇都宮駐屯地に所在する中央即応連隊を中心に臨時編成された統合任務部隊(タスク・フォース)です。そして、この統合任務部隊の中に、特殊作戦群の隊員と現地情報隊の隊員が含まれていたといわれています。
結果的に、アフガニスタンで救出できたのは旧アフガニスタン政権の関係者14名と、日本人1名のみでした。その一方で、最大で110名の人員を乗せることができるC-2輸送機と、最大で94名を乗せることができるC-130H輸送機を各2機、計4機派遣し、260名近い自衛官が隣国であるパキスタンのイスラマバードに派遣されています。
そこから何名の統合任務部隊の隊員が派遣されたのかは明らかになっていません。ただ、言い方によっては、こうした危機的な状況は現地の情報を収集するのに適したタイミングでもあります。そのため、中央即応連隊の隊員に混ざって、特殊作戦群の隊員や現地情報隊の隊員がアフガニスタンに派遣されたのは間違いないと考えられます。
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