「世界で最も操縦が難しい飛行機」脅威のピーキーぶり! UFOと間違われても仕方ない!?

2023年の中国気球追跡でも活躍!

 東西冷戦終了以降は、その役割はじょじょに小さくなり、アメリカ軍でも偵察の役割は、軍用のドローンや無人機などがテロ組織を探し当てるケースにシフトしていました。しかし、2023年2月頃から騒動になり始めたアメリカ領内に侵入した中国製の気球の追跡には、まさかの気球のさらに上空から監視するという、U-2くらいにしかできない偵察をやってのけ、未だ優れた性能を有していることもアピールしました。

 実はこの機体は、面白い逸話も持っています。UFOに間違われていた可能性です。1955年7月にアメリカネバダ州にある「エリア51」でU-2のテストが始まると、未確認飛行物体の報告が同地周辺で殺到したという逸話があります。実はエリア51は、2003年に情報公開されるまで、公には存在していない施設とされていましたが、それ以前から「UFOの基地だ」「宇宙人が運び込まれた」などの騒動があり、アメリカの宇宙人騒動の中心地となることも多くありました。

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銀色に光る初期のU-2(画像:アメリカ空軍)。

 1950年代にロッキード(現:ロッキード・マーチン)と、アメリカ空軍、CIA、NASAなどがU-2のテストに共同で取り組んでいた頃、同機のような超高度まで上がる偵察機はありませんでした。そのため、「公には存在していない基地」「当時としてはありえない高高度を飛ぶ飛行物体」という要素と、テスト機時代の同機は無塗装アルミボディむき出しだったため、「やたら太陽光を反射する機体」という要素が合わさって、UFOと誤認された可能性があるようです。

【了】

【え、上こうなってたの!?】謎の中国気球を上から見下ろすU-2のパイロット(写真)

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