もともと「核爆撃のお供」!? ジェット空中給油機KC-135 ボーイングの一大勢力にのし上がるまで

爆撃機を飛ばすため、時にはスッカラカンにも

 いうなれば中継ぎ採用といった体のKC-135でしたが、配備と戦力化が順調に進んだため、結局、本命であったロッキードのL-193は発注されることなく終わりました。

 しかも、KC-135を基に要人輸送機型、電子情報収集機、気象観測機、空中指揮機など多数の派生型も生産されたため、シリーズ合計で800機を超えており、大型ジェット軍用機としては異例の多さを誇っています。最盛期には毎年100機のC-135シリーズがボーイングで生産されました。

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カリフォルニア州のマーチ空軍博物館に展示されているKC-97空中給油機(細谷泰正撮影)。

 KC-135の配備が始まった1957年当時は、米ソ間の緊張がとても高まっていた時期でした。そのため、アメリカ空軍は、ソ連(現ロシア)から先制攻撃を受けた場合でも核攻撃力を確実に維持するために、B-52爆撃機の一部をソ連領土に近い空域に常に貼り付けておく、空中待機プログラムと呼ばれる作戦を行っていました。

 こうしたミッションゆえに、ジェット空中給油機は必要不可欠な装備だったのですが、そのような中、1966年にスペインで核爆弾搭載のB-52とKC-135が空中衝突して墜落する事故が発生します。

 弾頭に備えられた安全装置により核爆発こそ起きませんでしたが、墜落地点の放射能汚染は環境問題を引き起こしました。そのため、この事故を受けてB-52の空中待機は中止されます。しかし、当時は米ソ間の核戦争が現実味を帯びていたことから、想定されていたミッションの中には、B-52 とともに離陸したKC-135が搭載燃料のほぼ全てをB-52へ給油し、自機は不時着もしくは洋上に不時着水する、というものまであったそうです。

 幸いそのようなミッションが実際に行われることはありませんでしたが、乗員たちはKC-135で安全に不時着もしくは不時着水できるとは思っていなかったと証言しています。

【異形すぎるだろ!!】極秘ミッションに就く派生型「リベットジョイント」ほか(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 1956年に初飛行なのに「初飛行以来69年」とは???
    今年は2023年のはず。