マニュアル車は“無理ゲー”なのか 運転免許ほとんど「AT限定」に MTを諦める人の事情

いまやほとんどのクルマがオートマ(AT)。運転免許も、教習項目が少なく費用も安い「AT限定」で取る人がかなり増えています。限定なしの免許はメリットを見出せなくなっているのかもしれません。

ウナギ上りで増えていく「AT限定」免許

 2023年現在、国内販売されているクルマの約99%はAT(オートマ車)であり、商用車でもATの比率は増えました。これに呼応するかのように、運転免許も「AT限定」で取る人がかなり増えている状況です。

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マニュアル車のシフトノブ(画像:写真AC)。

 警察庁の運転免許統計で、その年の指定自動車教習所の卒業者数にまつわるデータを見てみると、2022年に普通免許で卒業した人でMT免許(いわゆる限定ナシ):AT限定免許の割合は27:73でした。

 その15年前の2007(平成19)段階では、53:47でMT免許の方が多かったのですが、5年後の2012(平成24)年段階ではすでに逆転していました。指定自動車教習所の卒業者なので多くは若者と考えられますが、今や7割以上が「AT限定」で普通免許を取っているのです。ちなみに東京都だと、AT限定が実に8割を超えています。

 AT限定普通免許の教習は、MT免許と比べ法定の技能教習が短く、値段も1万円から1万5000円ほど安くなります。

 教習所のスタッフに聞くと、MTで受講する人は「何かあったときのため、とりあえずMTで取っておけ」と親に言われたから、という理由が大半だそう。

 トラックなどを運転することを想定した需要もあるものの、2017(平成29)年に準中型免許が新設されて以降、普通免許で乗れるクルマはほぼ乗用車に限られるようになっており、“いざというときのメリット”すら、希薄になっていると思われます。

 同氏によると、クラッチ操作などにつまずく人が、技能教習の早い段階でMTからAT限定へ移行してしまうケースもあるとのこと。いまやウェブ検索で「マニュアル車」と入力すると、すかさず「無理ゲー」という文言がサジェスト(候補として表示)されるほど、苦手意識を持つ人が少なくないようです。

【コレか!!】いま「新車で最も安く買えるMT車」とは(写真)

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