見た目がまず謎! 防衛省の新装備「戦闘支援型USV」の正体 潜水艇…?いや戦闘ヘリの代役にも!?

防衛省が新年度予算に研究費を計上した新装備「戦闘支援型USV」がナゾを呼んでいます。見た目は潜水艦のような未来感ただようスタイルで、従来のUSVとは一線を画す存在になりそうです。他国の事例から、その使い方が見えてきます。

護衛の用途にはピッタリ 戦闘ヘリ全廃だし…

 前にも述べたように防衛省は戦闘支援USVの主な任務として、警戒監視と対艦戦闘を挙げています。その任務としては、島嶼奪還作戦に投入される陸上自衛隊のAAV7水陸両用車などの護衛もあると考えられます。

 トルコの造船メーカーTAISは2022年11月にインドネシアの首都ジャカルタで開催された防衛装備展示会「インドゥ・ディフェンス2022」に、ミサイルランチャーなどの兵装を搭載するUSVの模型を出展していました。同社の担当者によると、トルコ海軍は同社が開発と建造を手がけたアナドル級強襲揚陸艦で、戦闘能力を備えたUSVの運用を検討しているそうです。

 アナドル級には国産水陸両用装甲車「ZAHA」や上陸用舟艇が搭載できますが、それらは水上航行速度が10km/h程度と遅いです。トルコ海軍は、敵の高速水上戦闘艇や航空機からの攻撃に対して脆弱であると考えて、対艦ミサイルや対空ミサイル、艦砲などを搭載するUSVに、ZAHAや上陸用舟艇の護衛をさせるという考えに至ったのだそうです。

 陸上自衛隊水陸機動団のAAV7水陸両用車も、最大水上航行速度は13km/hで、水上航行中は鈍足であるが故に、敵の高速水上艇や航空機の攻撃には脆弱な存在です。

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アナドル級強襲揚陸艦での運用が予定されているトルコの国産水陸両用装甲車「ZAHA」。これを護衛する戦闘能力を備えたUSVの運用が検討中(竹内 修撮影)。

 水陸両用車や上陸用舟艇の援護には本来、小型の高速水上艇や戦闘ヘリコプターが適しています。しかし、海上自衛隊はおおすみ型輸送艦に搭載できる小型の水上戦闘艇を保有しておらず、陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターも将来的には全廃される予定となっています。

 今回の戦闘支援USV、そのサイズや速度性能などは未知数ですが、トルコ海軍と同様、AAV7や水上航行速度の低い舟艇の護衛役を務めさせるのも「アリ」なのではないかと筆者は思います。

【了】

【え…】どう見ても潜水艦な防衛省「ナゾの新装備」のイメージ(画像)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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