走る雀卓? いえ“宇宙船” 異形の大阪メトロ400系 最新の通勤電車はここまで考え抜かれていた!

1+1列のクロスシートも設置

 側扉の上には、同世代の通勤形よりも大きな21.5インチの大型ディスプレイが設置され、日本語・英語・中国語・韓国語表示に対応しています。防犯カメラは1両に4台、空気清浄器は1両に8台設置しています。

 座席はロングとクロスの両シートを配置。ロングシート車両では、扉間の座席が従来6人掛けだったものを5人掛けとしています。これにより出入口スペースが従来車より広がり、大型荷物に配慮しています。また、座席幅は通勤形電車としては最大級の1人あたり47cmを確保しており、ゆったりとした着座感です。

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400系の車内(安藤昌季撮影)。

 クロスシートは4号車にあります。パーソナルスペースの確保、目的地に移動するワクワク感の確保を目的として、1+1列の固定式クロスシートです。ここには荷物棚がなく、すっきりとしています。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)はクロスシートに着席してみましたが、座面の奥行が広くお尻側が下がった設計で、無理なく着座できます。背もたれに、ある程度の傾斜と凹みがあります。クッション性もよく肘掛けもあって、座り心地は良好です。ちなみにロングシートには肘掛けがありません。

 ただ、せっかくのクロスシートですが、側窓の位置が高いため景色がやや見にくく、少々残念です。なお、立ちあがりを容易にするために、既存車両と比較して床面からの高さを5cm高くしているほか、優先席では荷物棚の高さを10cm引き下げることで、社会的弱者に配慮した設計となっています。車いすスペースは、その部分の床を緑にして識別しやすくしています。

 快適で、デザインも秀逸な400系ですが、いつ運行されているかは分かりません。増備されるまで出会いは偶然、乗れたらラッキーでしょう。

【了】

【え、大阪都心にクロスシート】近未来な「走る雀卓」の車内(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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