瀬戸内海のフェリー「昼行」はなぜ難しい? 数ある航路は夜行ばかり 最高に楽しい船旅なのに

貴重な「昼行」のフェリーに遭遇!

 かつて関西汽船の別府航路が寄港していた神戸港の沖合を通り過ぎると、神戸市と淡路島を結ぶ明石海峡大橋が目の前に現れます。明石海峡大橋は全長約3911mで、中央支間長は世界一の約1991m。2つの主塔の高さは約300mにもなります。その迫力ある姿は、瀬戸内海航路を代表する構造物の一つとして知られており、多くの人がデッキに出て写真を撮っていました。ここ明石海峡を抜けると播磨灘。いよいよ瀬戸内海の島々を巡る旅が始まります。

 左舷側に淡路島を見ながらしばらく航行すると、右舷前方にうっすらと小豆島が見えてきます。少し近づいたタイミングで持っていたカメラを向けると、島影からちょうどジャンボフェリーのフェリー「あおい」(5200総トン)が出てきました。小豆島には本州側と四国側から複数のフェリー会社が就航しており、同社はこのうち神戸~小豆島(坂手)~高松航路を運航しています。さんふらわあも2011年まで大阪~小豆島航路を運航しており、繁忙期は行楽客で満船だったといいます。フェリー「あおい」は2022年9月に竣工しているので、新鋭船同士のすれ違いとなりました。

 小豆島の地蔵崎灯台を抜けると備讃瀬戸東航路に入ります。この周辺は多くの船が行き交っており、小型漁船や内航のLEG(液化エチレンガス)船、タンカー、タグボート、外航の大型貨物船などが雄大な四国の山々を背景に次々と現れては後方へ去っていきます。

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瀬戸大橋。ちょうどJR四国の最新特急車8600系が通過した(深水千翔撮影)。

 航路の北側には豊島、直島諸島。南側には男木島、女木島。いずれも瀬戸内国際芸術祭の舞台として世界的に知られる島々です。「さんふらわあ くれない」を含め、瀬戸内海を行く船はこうした島々の間を縫って航行していきます。さまざまな島と大きさが全く違う船が、かなり近い距離で並ぶのは、瀬戸内海特有の景色の一つではないでしょうか。

 岡山県と香川県の県境が島の真ん中を通る大槌島を越えれば、塩飽諸島と本日2つ目の本四架橋である瀬戸大橋が見えてきました。乗船中の「さんふらわあ くれない」はここから備讃瀬戸北航路へと入っていきます。

【え…】これが瀬戸内海のヌシ「走る和風旅館」船です(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 大変良い点に着目した内容でした。
    当方にて、当日の航海を香川県から撮影したYouTubeを以下のタイトルで公開しています。
    「さんふらわあ くれない 昼の瀬戸内海カジュアルクルーズ 備讃瀬戸東航路から北航路へ西航 坂出市乃生岬付近からの眺望」

    昼便は時々運行するから価値があって、それなりの乗船客が見込めるのでしょうね。
    一点気づいたのですが、2枚目の写真「瀬戸大橋。ちょうどJR四国の最新特急車2700系が通過した(深水千翔撮影)」は、2700系では無く、8600系電車の特急しおかぜです。
    以上