世界初「充電道路」公道に登場! 夢の「走行中給電」の仕組みとは 「スマホのワイヤレス給電と同じ」

原理は「スタンド型の充電器」と同じ? 世界に与えるインパクトとは

 EVは一般的に、スタンド型の充電器からケーブルを介して給電しますが、藤本教授によると、このシステムを構成する部品は基本的にEV充電器と同じで、コイルどうしがケーブルでつながっているか、離れているかの違いだそう。エネルギー効率は96.4%と高く、スタンド型のEV急速充電器とほぼ変わらないそうです。

 このため、藤本教授らは、走行中給電システムが車両のオプションとして販売されることを見込んでいます。ケーブルを介した充電システムとの併存も可能だそうです。

 今回の実証実験は国土交通省の事業に採択されているほか、実に産学官20者以上が携わっています。東大の研究のなかでも、人々の生活に与えるインパクトが大きいものとして注目されているそう。さらに、藤本教授らはこのシステムを国際標準とすべく、トヨタ、デンソーと日本自動車会議所を通じてIEC(国際電気標準会議)に提案しているといいます。

 では、なぜ「走行中給電」がこれほどまでに期待されるのか――それは、充電に時間がかかるというEVの課題を解決するだけでなく、新たな産業を生み、製造コストを下げ、カーボンニュートラルを加速させると考えられているからです。EVに向かないとされていた大型車にも適するといいます。

 藤本教授によると、大容量のバッテリーが大量に消費され、高い電圧で急速充電するEVが普及しつつあるとのこと。これは「効率、バッテリー製造コスト、車両コストも悪いうえ、資源リスクも高まっています。さらに、急速充電は電力系統の負荷が集中するため、集合住宅への充電器の整備も難しくなってきます」といいます。

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出発式にて。手前は国土交通省 千葉国道事務所の藤井和久所長、柏市の太田和美市長(乗りものニュース編集部撮影)。

 そこで走行中給電システムにより、走りながら充電ができれば、「100kwhのバッテリーが、8kwhくらいのバッテリーで十分走れる、家庭の充電設備も不要になる」のだそう。バッテリーの小型化、ひいては車両の軽量化が図れるのだそうです。このことはEVやバッテリーの製造コストを大幅に下げる可能性を秘めているといえます。

 柏の葉キャンパスでの実証実験は2025年3月まで。本格的な事業化は2030~2035年頃だといいますが、すでに「ある地域の市バス」で、2028年に今回のシステムが導入されることが決まっているそうです。

 ※一部修正しました(10/4 20:25)
【了】

【道路側どうなってんの!?】これが「走行中給電」の全貌です(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 誰がどれだけ給電したかわからないと電気代を徴収できませんごそこのところはどうなっているのでしょう(?_?)