EUガチ投資中「ヨーロッパから鉄道信号が消える日」やってくる? 100歳機関車も「最新システム」搭載の現場
EU統合で各種の障壁が取り払われてきましたが、鉄道システムでも同様です。信号システムを効率的な統一規格にしていく動きが加速しています。
欧州内で列車直通を自在にする動き
風情ある益子焼の容器に入った温かい峠の釜めし。具材のなかに「あんず」は必要か、いらないのか。うら若き女子高生だった昔、信越本線の横川駅で機関車を連結する待ち時間に友人たちとキャーキャー買いに走り、そんな議論に談笑したことは何十年も経った今でも鮮やかな思い出です。
66.7‰という日本最大級の急勾配の「碓氷峠」を越えるために、補助の機関車を連結・切り離していたのが横川駅でした。1997年の新幹線の開業とともに、横川~軽井沢間は廃止され、この風景も見られなくなってしまいました。
脳裏にひっそりとしまわれていた青春時代の記憶を呼び起こしてくれることで大好きだったのが、つい最近までドイツ東部ドレスデン中央駅で行われていた機関車交換の待ち時間でした。
ただし、横川駅とは事情が異なり、こちらはドイツからチェコへと旅を続ける国際列車「ユーロシティ」が国境を越えるための機関車「取り換え」です。
国によって「列車制御システム」がバラバラだったため、機関車を「ドイツ鉄道」のものから「チェコ鉄道」のものに交換していたのです。
鉄道の「国境問題」は、欧州内で長年にわたって頭痛のタネでした。東西冷戦が終わり、国境検問が簡略化された1990年代初頭から、国別で異なる運行方式を一元化してシームレスな一つの鉄道網を目指すべく、共通規格「ETCS (European Train Control System)」を各国が少しずつ導入してきました。つまり鉄道においても「欧州統合」を目指したのです。
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