EUガチ投資中「ヨーロッパから鉄道信号が消える日」やってくる? 100歳機関車も「最新システム」搭載の現場

「懐かし風景=近代化遅れ」も徐々に解消?

 導入の進捗状況は国によって異なり、特にドイツでは遅れていました。1990年の東西ドイツ統一後、両ドイツの鉄道網を統合することで手いっぱいだったことや、旧システムの耐用年数がまだあったことなどが響いています。

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ドレスデン中央駅で機関車の交換を車内で新聞を読みながら待つ乗客。今はこの風景も無くなってしまった(2014年、赤川薫撮影)。

 ですが、最近の環境意識の高まりにより、欧州では自動車や飛行機よりも二酸化炭素の排出量が少ない鉄道への期待が過熱しており、一丸となってこの「鉄道の国境問題」を打破しようとしています。

 ドイツ~チェコ間でも、2018年6月をもって単一機関車での「国境越え」が実現。ドレスデン中央駅で行われていた機関車交換も、ようやく過去のものとなりました。

 といっても、事情は少々複雑です。チェコ鉄道の広報に取材したところ「ユーロシティが走る区間にまだETCS未整備のところがあるため、苦肉の策でETCSだけでなく、両国の旧来の制御システムも搭載することで直通を可能にした」そうです。

 とはいえ、長年かけて単一通貨ユーロを導入したように、今後はETCSの普及が急ピッチで進み、鉄路の国境の壁はますます低くなりそうです。

【画像】えっ…! これが「最新システムを積んだ100歳越え機関車」です

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