JR東もテスト「貨物新幹線」誕生間近? 60年前から“やる気”だったはず 歴史を変えるか?
新幹線の速達性&大量輸送能力は貨物に最適
「TGV La Poste」は、予備車を含んで2.5編成が新造され、1編成が既存のTGVを改造する形で生まれています。フランス郵政公社の塗装が施されたアルストム製の車両は、交流25kvと直流1500vの交直両用で在来線への直通運転が可能で、高速区間は最高270km/hまで出せたといいます。
このように、ある意味で特徴的だった「TGV La Poste」はフランス各地を結ぶTGV路線で2015年まで運転されました。それ以降は物流網全体の見直しが行われた結果、鉄道からトラックへ簡単に載せ換え可能な脱着式ボディ、いわゆる「スワップ・ボディ」方式の輸送に置き換えられています。
改めて視点を日本に戻しましょう。我が国も建設当初の東海道新幹線では貨物輸送を行うことが計画されていました。事実、大阪の鳥飼車両基地と東京の大井車両基地はもともと、新幹線の貨物駅として用地確保されていた経緯があり、前者には貨物駅へ向かう分岐線を本線上に通すための構造物が最近まで残されていました。
新幹線が誇る高速大量輸送能力は、荷物輸送にも積極的に活用されるべきだと筆者(細谷泰正:航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は考えます。とくに新鮮さを売りにするような、鮮魚や農産物の輸送にはうってつけといえるでしょう。
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