ナニコレ!? 道路標識「手が描かれたグー・パー」じゃんけんさせる気!? パッと見理解不能な珍標識の由来

道路には、一般ドライバーには関係のない標識も様々存在します。その一つに「グー」「パー」がありますが、中には本当に手が描かれ、じゃんけんのようになっているものも。一体何なのでしょうか。

実は業務用の標識 ではなに?

 多くの道路標識は初見でも理解できるよう、極力シンプルなデザインが採用されていることが一般的です。ただそのなかには一見ではその意味を掴みづらいものも存在します。そのひとつが「手が描かれたグー・パー標識」です。これには、どのような意味があるのでしょうか。

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富山県内で見られるグー・パー標識。山形県内ではスノーポールにカバーをかぶせて標識とするものもある(画像:富山河川国道事務所)。

 この道路標識は、グーが「凍結防止剤散布区間」の終了、パーは散布区間の開始を表します。要するに寒冷地ならではの標識です。

 この標識は、山形県の国道7号などを管理する国土交通省の酒田河川国道事務所が考案し2005年から設置しているもの。凍結防止剤は走行上危険と予想される箇所に散布されるものの、それが撒かれていない直線区間などでスリップが多発していることから、散布区間を明示するために始めたといいます。

 ただ、「グー・パー標識」と通称されるものは、一般的には別に存在します。「手が描かれたグー・パー標識」は、この「グー・パー標識」の標識を“発展”させたものといえるでしょう。

 その、元の「グー・パー標識」とは、「投雪禁止区間」を示すための標識です。

 寒冷地の道路では、ロータリー除雪車で走行しながら雪を掻き込み、路外へ勢いよく放出させる手法などがとられます。こうしたところでは、青い四角をオレンジで囲った四角い標識を「グー」、青い四角の4辺にオレンジの四角がついた十字形の標識を「パー」と呼称することがあります。この設置の意図は、前者の標識に差し掛かったら投雪をやめる、そして後者に差し掛かったら再開する、という目安になっているとのこと。

 投雪禁止区間はたとえば、別の道路が下で立体交差していたり、路外に家屋があったりするところ。つまり、投雪により思わぬ事故が起こる可能性があるところといえます。

「手が描かれたグー・パー標識」は、やはり投雪禁止区間の標識がもとになって考案されたものだそう。酒田河川国道事務所によると、投雪禁止区間の標識はあくまで管理者向けですが、一般向けに凍結防止剤散布区間を知らせるため、「グー・パー」を絵でわかりやすく示したとのことです。この標識は山形県や富山県でも見られます。

【了】

【写真】えっ…これが元祖「グーパー標識」です

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