東京メトロ史上最高の座席? 有楽町・副都心線17000系 進化した「扉にご注意」対策って?
近年、JR各社を中心とする鉄道会社は、通勤形車両の改良を進めています。ここ数年で登場した新型車両には、それまでは見られなかった設備や性能も。今回は、グッドデザイン賞やローレル賞を受賞した17000系について紹介します。
有楽町線と副都心線の兼用車両
通勤形電車といえば、ロングシートの座席とつり革以外はほとんど設備もなく、殺風景な車両というイメージがありましたが、近年はサービス改善の動きが顕著です。フリーWi-Fiや空気清浄器、トイレが設置されるなどしたものもあります。
東京メトロ17000系は、有楽町線・副都心線向けに投入された、18000系と並ぶ最新鋭の通勤形電車です。これまで両線では、1974(昭和49)年に登場した7000系電車と、2008(平成20)年に登場した10000系電車が使われていました。
7000系電車は登場時、優れたデザイン性と省エネ性能を持っていましたが、最終ロットでも1989(平成元)年製造であり、老朽化が進んでいました。そうしたこともあり、有楽町線50周年・副都心線15周年を記念して、2020年に17000系が導入されました(営業開始は2021年)。
置き換え対象の7000系と比較して、座席幅の拡大(43cm→46cm。ただし10000系と同じ)、冷房能力の向上が図られました。ほかにも全車両へのフリースペース設置や、側扉の出入口下部をホーム側に10度傾斜させ、床面高さも6cm下げることでのバリアフリー改善などもなされています。
座席鉄である筆者(安藤昌季:乗りものライター)は17000系の座席について、それまでの東京メトロ車両よりも背もたれが前かがみではないため、自然な着座姿勢が取れ、座面も深くて、ゆとりを感じる「東京メトロ車では過去最高座席」だと感じています。クッション性も金属ばねが使われているようで良好。消臭・抗ウィルス加工も施されています。
優先席は背もたれが青色となり、見た目での差別化が図られていますが、JRなど一部の通勤車両のような床への優先席表記はなく、すっきりした印象です。優先席のある車端部はつり革の高さが一般席より8cm低い158cm、荷物棚も5cm低い170cmとされ、バリアフリーに配慮しています。
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