東京メトロ史上最高の座席? 有楽町・副都心線17000系 進化した「扉にご注意」対策って?
「ドアに引き込まれる現象」に対策
前頭部は従来の7000系や10000系からの丸型ヘッドライトを継承、個人的には「かわいい」顔で、親しみやすい印象を受けます。
車内空間には有楽町線のラインカラーであるゴールドと、副都心線のラインカラーであるブラウンを取り入れています。車体はブラウン基調でゴールドのラインが引かれ、車内もつり革がブラウン、座席の背もたれがゴールドです。また、フルカラーLEDの行先表示は見やすく、10000系よりも視認性がかなり向上しています。
扉上の17インチ車内案内液晶モニターは2基で、銀座用の1000系電車や日比谷線の13000系電車よりは減少していますが、英語・中国語・韓国語表記には対応。モニター横に防犯カメラも付いています。
荷物棚や車両間通路の貫通引戸、座席の袖仕切りにはガラスが使われており、解放感を演出しています。貫通引戸は操作ハンドルにアシスト機能があり、開閉に大きな力は不要です。また、ドアクローザにエアクッションが備わり、閉める際の安全性に配慮されています。
側扉にも近接センサーが設置されていて、扉が閉まる際の衝撃を軽減するとともに、扉に挟まれた手荷物を抜きやすくしているとのこと。また、扉の開閉に使う空気流入量を絞り込むことで、手荷物が戸袋に引き込まれにくくなっています。
ほかにも運転機器として、脱線時に列車を自動停止させる脱線検知装置の搭載や、車両の状態を総合指令所や車両メンテナンス担当部署からモニタリングする車両情報監視・分析システム(TIMA)を搭載しています。
17000系は西武線、東武線、東急線、みなとみらい線に乗り入れるため、長距離運用もありますが、快適に過ごせる車両だと感じます。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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