「100年兵器」ほぼ確定? 「M109自走砲」がここまで使い倒されるワケ 70年経て砲身まだ伸びる?
まだまだ改修も進めまっせ!
さらにアメリカ陸軍は、M109“A7”への改修も進めています。これはM109A6の転輪などをM2ブラッドレー歩兵戦闘車と同等のものに変更するとともに、新型履帯へ換装して機動力の向上、また車長用ハッチへの防弾板の追加といった防御力のさらなる向上も図ったものです。
今回発表されたM109-52に装備されたL52は、M109A7の車体との互換性も確認されており、BAEシステムズは2024年にも射程の延伸を証明するための追加試験を予定しています。
また、アメリカ陸軍はM109で使用できる高性能155mm砲弾の開発も進めています。BAEシステムズとは、既存の155mm榴弾砲弾の2倍以上の射程を目標とする155mm榴弾砲弾「XM1155-SC」を、ボーイングならびにノルウェーのナンモとは、最大射程が150kmに達するラムジェット推進155mm砲弾「ラムジェット155」などを開発しています。
アメリカ陸軍がM109A7をM109-52に再改修するという手法を採用するのか、それとも前に述べた高性能砲弾の実用化という手法を採用するのかはわかりませんが、いずれの手法を採用するとしてもM109がプラットフォームであり続け、「ご長寿兵器」への道をまい進していくことは確かだと思います。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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