イスラエル鉄壁のバリア「アイアンドーム」 対ハマスでどうしても“割り切り”必要なワケ
テロ組織「ハマス」の攻撃にさらされるイスラエル。同国は、飛んでくる砲弾やロケット弾を迎撃できる「アイアンドーム」と呼ばれる防空システムを持っています。ただハマスも、これが万能ではないことを知って大規模攻撃を仕掛けました。
20分間で発射された5000発
2023年の10月7日はユダヤ暦で新年を祝う「仮庵の祭り」(スコット)という祝祭期間中で、この日は土曜日と安息日にもあたりました。そのような日に、イスラエルはパレスチナのテロ組織「ハマス」からの攻撃を受けました。
午前5時50分頃、ソーシャルメディア「テレグラム」に不穏な映像が投稿されました。チャンネルはハマスの軍事部門と関係があるようです。映像には、ハマス戦闘員がイスラエルとガザ地区の最も南にあるケレム・シャロームの検問所を襲撃し、境界線の柵を越える様子や倒れたイスラエル兵が映っていました。早朝ということもあり、イスラエルのほとんどの人は異変に気付いていなかったでしょう。
6時30分頃より、ガザ地区から不意急襲的にロケット弾が次々と発射されます。空襲警報がガザから60km離れたテルアビブのほかエルサレムでも鳴り始め、人々の祝祭日気分は文字通り吹き飛ばされます。ハマスは20分間で5000発のロケット弾を発射したと主張。ロケット弾攻撃と戦闘員の侵入は同時多発的に連携して行われ、イスラエルは意表を突かれた形となりました。
様々な映像がネットに氾濫し、認知領域でも戦争が始まったといえる状態なので、情報の見極めには慎重さが必要ですが、印象的なのが飛来する砲弾を次々に空中で迎撃する映像です。市街地上空には幾重もの対空ミサイルの飛翔煙が伸び、花火のような爆煙が空に広がります。夜間迎撃戦の映像は幻想的でさえありますが、上空を飛び交っているのは「実弾」です。
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