お値段「シビックRS」並みの438万円!? ホンダが“最高級の車いす”を公開 「最高時速60キロ超」の技術とは
本田技術研究所が和光研究所の見学会を開催し、障害者スポーツ用の「車いすレーサー」の車両や計測装置などを報道陣に公開しました。
車両は高価だけど「業界に貢献したい!」
本田技術研究所は2026年2月27日、和光研究所(埼玉県和光市)の報道陣向け施設見学会を開催し、障害者スポーツ用の「車いすレーサー」の車両や計測装置などを公開しました。
今回公開されたのは、車いすレーサーの「翔 KAKERU」と、選手たちのトレーニングに活用されている漕ぎ力の測定装置です。
まず「翔」は車いす陸上競技に用いられる車両で、代表的な競技としては夏季パラリンピックの「車いすマラソン」種目や、大分県で毎年開催されている「大分国際車いすマラソン」などが知られています。
本田技術研究所の池内 康チーフエンジニアによると、実は「パラリンピックなどに出るためには、市販されている車いすでなければならない」のだそうです。同社は2000年に車いすレーサーの開発を開始し、2014年には初の市販モデル「極 KIWAMI」を発売。2019年には最軽量の新モデルとして「翔」が誕生しました。
「翔」の総重量は7.9kgと非常に軽く、また見た目も一般的な車いすのイメージとは一線を画す低いボディ骨格を持っています。車輪も前方に操舵用の1輪を加えた3輪構成です。池内氏は「走行速度は平地でも30km/h以上で、下り勾配などの条件が揃えば60km/h以上の最高速度も出る」といいます。
一方、「翔」は骨格や車輪などの構成部品のほとんどがカーボン製であり、また選手たちが乗りこむ“椅子”の部分は、体格やフォームに合わせたオーダーメイド設計となっています。そのためフルセット価格は438万円と、四輪車でいえば現行の「シビックRS」(439万8900円)並みで、販売台数も年間数台という規模だということです。
そこで「業界へ技術的に貢献すれば、選手たちがスキルアップして競技が面白くなり、選手も増えるのではないか」と考えて作られたのが、漕ぎ力の計測装置です。この装置は、選手の腕の漕ぎ力やフォームのクセなどをデジタルデータとして記録、解析することが可能。ほかのプロスポーツと同様に、科学的な知見をトレーニングに盛り込めるようになったといいます。
また、同社では選手の体格や障害の重さに合わせた、最適な車両寸法を測るためのテストベンチも研究開発しているとのこと。池内氏は「軽量な車いすレーサーを作ることと、漕ぎ力の計測装置や採寸用のテストベンチといった業界全体に貢献できる設備づくりの2軸の取り組みで、車いすレーサーの競技を盛り上げていきたい」と強調しました。





コメント