まだ戦前気分!? アメリカ軍が古き良き「ボンネット型トラック」を使い続ける「4つの理由」とは

アメリカ軍が「ボンネット型トラック」を使い続ける理由

まず第1の理由が「合理的だから」です。長年使い慣れた規格・システムで問題がなければ「そのまま使い続ける」のがベストというのが、当然の理論です。さまざまなトラブルも解決済みで、むしろ信頼性の高い機械に仕上がっています。

 1941年に第二次世界大戦に参戦したアメリカは、持てる工業力をフル稼働させて軍用トラックを量産しました。主力の6輪タイプ(前2輪、後4輪)トラックを例にすると、同国のコービット社やホワイト・モーター・カンパニー社などは1945年の終戦までの足掛け5年間に、計20万台以上も製造しています。

 その当時のトラックの主流だったのがボンネット型で、例えば荷台に積むパレットや段ボールの寸法など、兵站(物流)のあらゆる規格・システムが「ボンネット型仕様」で整備されていきます。

 中小規模の軍隊ならともかく、世界を股にかける巨大組織・アメリカ軍にとってトラックの形式を変えるというのは、あらゆるものの規格をも変更する必要が出てくるため、大変なのです。

 第2の理由は「メーカーの利益追求」です。ほぼ同じスタイルのトラックを何十年も造り続ければ、新たな設備投資もあまりかけずに製造できるというわけで、資本家にとってまさに「理想の経営」です。

 戦後、1950年代には後継車として、先述の2社に代わって米AMゼネラル社の「M54 5t」シリーズが選ばれ、ベトナム戦争でも活躍しました。同社はのちに、高機動多用途汎用車両「ハンヴィー」の製造元にもなります。

 その後米軍用のボンネット型6輪トラックは同社がほぼ一手に引き受け、1970年代には「M809 5t」シリーズ、1980年代には「M939 5t」シリーズと更新されますが、外見上はあまり変わりません。新型を発表するたびに生産設備を大きく作り直さずに済むため、価格も安くでき、軍や納税者であるアメリカ国民にとってもプラスです。

 3番目として「広大で、かつ石油資源に恵まれた国土」という点です。土地に余裕があるため道路や交差点もビッグサイズで、鼻の長いボンネット型でも運転が楽です。さらに石油は基本的に自給できるお国柄なので、日本や欧州のように「燃費に神経質になる」必要もありません。

 逆に厄介になってくるのが、急に道に出没した熊や鹿、放牧中の牛との正面衝突です。ボンネット型なら運転手が負傷する可能性が低く、「運転手の生命を守る」という重要な意味があるようです。

【画像】デカっ…!これが現役の米軍「ボンネット型トラック」です

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