なんと「75番艦」米海軍のイージス駆逐艦“次世代型”へ 性能別格すぎて艦長階級もランクアップ!? 何が違うのか

搭載するイージス・システムも最新版に

 また、イージス艦という名前の由来でもある「イージス・システム」も、同じく最新鋭のバージョンが搭載されています。イージス・システムとは、レーダーで探知した目標の脅威度を判定し、ミサイルを誘導して撃墜するという一連の流れを自動化した高度な防空システムのこと。脅威となる多数の目標へ同時に対応できる、まさにイージス艦の中核ともいうべきものです。

 イージス・システムは、1980年代の登場以来、幾多のアップデートが重ねられてきました。そして、これまでのイージス艦にインストールされているもののうち、最新のバージョンは「ベースライン9」と呼ばれるものです。一方で、フライトIIIではそれよりも新しい「ベースライン10」と呼ばれるものがインストールされています。

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SPY-6レーダーは米マサチューセッツ州アンドーバーにあるレイセオンのレーダー開発施設にて製造されている(画像:レイセオン ミサイル&ディフェンス)。

 ベースライン10における最大の特徴は、レーダーの情報処理ソフトを含むいくつかの中核的な機能が、イージス・システムからSPY-6側に移行されているということです。

 これまで、SPY-1Dは独自の情報処理装置を持っておらず、敵の探知や脅威度の判定など、レーダーで得られた情報の解析や処理はSPY-1Dと連接しているイージス・システムの仕事でした。しかし、ベースライン10とSPY-6の組み合わせでは、SPY-6で独自に処理されたレーダー情報をイージス・システムとやり取りするという仕組みになっています。

 これにより、イージス・システムとは独立してレーダーの性能向上を図ることが可能で、探知距離の延長や新たな機能の実装を、より容易に行うことができます。

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