まるで“乾電池式EV” ホンダの「交換式バッテリー」四輪にも拡大 ドーンと8本 この方式アリなのか?
太陽光発電の電力をダイレクトに使用! インフラも心配無用?
ヤマト運輸コーポレートコミュニケーション部の担当者は、こう話します。
「太陽光発電を導入している営業所で検証することがポイントです。現在のEVの充電は、業務時間中に太陽光で発電した電力を蓄電し、その電力を業務終了後に充電します。交換式バッテリー方式では、業務時間中に発電した電力を直接、予備バッテリーに充電することできて、電力のロスやCO2削減により貢献することができると考えています」
交換式バッテリー方式のメリットを最大限生かすには、バッテリーステーションの利用が欠かせません。ホンダは12本のバッテリーを同時に充電できる「Honda Power Pack Exchanger e:」を市場投入しています。
太陽光発電システムを備えたヤマト運輸の営業所では、このバッテリーステーションを設置し、業務時間内に充電を完了させます。再生エネルギーを有効に使うことのほかにも、交換式バッテリーをメリットは大きいです。
バッテリーステーションならば、EVの普通充電よりも満充電の時間を短くできます。バッテリーを交換しながら使うので、劣化を抑えることも期待できます。デメリットとして考えられるのは、ドライバーのバッテリー交換の労力だけでしょうか。
ヤマト運輸はMEV-VAN1台から実証を始めます。約1年かけて車両を増やしながら、集配業務における実用性や車両性能を検証します。
また、交換式バッテリー方式は、バッテリーステーションを誰でも利用できる場所に設置し、サブスクリプション方式の利用料で使えることがビジネスモデルとして考えられています。MEV-VANが市販されることになれば、個人事業での集配業務にも、ビジネスバイクで実用化されているこの方法を取り入れることができるかもしれません。
「通常の軽自動車の集配車両と比較しても、積載量は変わりません」(ヤマト運輸担当者)
検証する実車は、10月28日から一般公開になる「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(東京ビッグサイト)のホンダブースで、確かめることができます。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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