「まだ本気出してない?」韓国オリジナル戦闘機「KF-21」初デモ飛行が迫力に欠けたワケ メーカーに直撃

韓国が独自に開発した戦闘機KF-21「ポラメ」がソウルエアショーで一般来場者向けに初めてデモフライトを実施しました。でも、それは大人しいものだったそう。なぜ迫力に欠けた飛行だったのでしょうか。

いまだ開発途中のKF-21 伸びしろあり?

「ソウル ADEX」では屋外の航空機展示だけでなく、防衛企業が出展する屋内展示エリアも用意されています。そこにはKF-21のメーカーであるKAIもとうぜん出展。そこで筆者はKAI展示ブースの担当者にて飛行展示を見て気になった点について聞いてみました。

 KAIのスタッフの回答は非常にシンプルなもので、「under development(開発中)」と即答でした。

 現在ある6機のKF-21は実任務で使える完成品ではなく、冒頭に記したように試験機です。初飛行は昨年7月であり、現代戦闘機では必須の能力といえる超音速飛行を実施したのは年明け1月になってからです。

 そのため、エンジン出力が問題なく発揮でき、機体の空力特性が優れていたとしても、その性能を最大限に引き出すには、これから膨大なテストと搭載機器などの開発を重ねていく必要があります。今回のイベントで見せてくれた飛行もKF-21の本来の能力を発揮した形ではなく、むしろ余裕を残した状態で行ったものであり、レベルアップの余地を残しているといえるでしょう。

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飛行展示で連続ロールを披露するKF-21。同じ会場で飛んだF-22やF-16と比べるとやや控えめな内容であった(布留川 司撮影)。

 実は同じような例は、日本の航空自衛隊も運用しているF-35「ライトニングII」でもありました。

 F-35Aを運用するアメリカ空軍は2018年からF-35専門のデモチームを組織してエアショーでの飛行を行っていました。しかし、当時のF-35AはG(重力)制限が約4Gという低い数値であり、デモチームの飛行内容も直線飛行や他機との編隊飛行が中心となった大人しい内容でした。

 その後、機体のプログラムがアップデートされたことでG制限も9Gまで拡大され、より激しい機動での飛行も問題なく行えるようになり、現在では飛行展示も既存の航空機とは異なる激しいものへと進化しています。その激しさはここ最近の三沢基地で行われている航空祭での飛行展示を見れば明らかです。

 メーカーが発表している今後の予定では、KF-21量産型の生産開始は2024年で、最初の機体が韓国空軍に配備されるのは2026年頃だと言われています。同空軍向けに予定されている生産機数は120機だそうです。開発ペースは、国際情勢の複雑化によって遅延が当たり前となった近年の軍用機開発では非常に早いといえるでしょう。

 もちろん、今後もすべてが順調に進む確証はありませんが、将来の「ソウル ADEX」ではより進化した飛行展示が見られるかもしれません。

【了】

【ここにミサイル積むのね!】2人乗りKF-21戦闘機をいろんな角度からイッキ見(写真)

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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