日本の地下に「物流トンネル網」構築? 構想浮上の「自動物流道路」って何だ 「10年での実現目指す」

日本ではどうなる?

 さて、これが日本でどう展開されるのか。中間とりまとめ案では次のように書かれています。

「海外においては、(中略)都市間の輸送においては人が荷物を運ぶという概念から、人は荷物を管理し、荷物そのものが自動で輸送される仕組みへの転換を図ろうとしている」

「既存の高速道路空間を最大限活用するとともに、徹底した省人化を図り、低炭素なシステムとするなど、諸外国にも倣いながらシステムとしての必要な機能や技術、その実現に要する期間等を明確にして検討を進める必要がある。特に、ハブ機能を持つ物流拠点の配置や配送に至るトータルの物流サービスを提供する視点から、ロジスティクス改革への貢献を考えていくことが重要である」

 さらに、通常であれば30~50年かかるパラダイムシフト的な大事業になるものの、逼迫する物流需要を踏まえれば「10年で実現する気概を持って」と書かれています。

 必要性は明記されたものの、その姿がどうなるかは、まだ未知数と言わざるを得ません。これまでの審議会では、海外事例や国内の過去の構想などが再び取り上げられています。もしかすると“道路”ではない可能性もあります。

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矢印が外環道に構築された土砂運搬用ベルトコンベア。トラック運搬の代替として建設されたもので、これも道路空間を活用した物流システムといえる(ドライブレコーダー)。

 たとえばイギリスでは、鉄道の敷地を活用して直径1mのパイプを敷設し、そのなかで低コストのリニアモーターを使用した自動運転車両を走らせる「Magwayシステム」の実現へ向け、許認可に動きだしているそう。これも道路輸送の代替手段として紹介されています。また、外環道のトンネル工事の掘削土を運ぶため、外環道本線の空間を利用して設けられたベルトコンベア(稼働中)も、物流システムと見ることもでき、審議会で取り上げられています。

 物流の幹線を担う、トラックでもフェリーでもないシステムがどのような姿になるのか、今後注目したいところです。

【了】

【え…これ10年で作る!?】これが「自動物流道路」のイメージです(画像)

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コメント

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4件のコメント

  1. 画期的な新兵器を開発すれば一発逆転だみたいな発想は必ず失敗すると歴史から学ぼう

  2. とりあえず既存の鉄道で大量輸送をすればいいのでは?

    • 何故鉄道輸送が衰退したのか?理由は遅いからです。ここを対策なしでは無理でしょ

  3. それをやったのがJR貨物では…?