やっと、やっと飛んだ! ANA悲願「巨大機A380の3号機」初飛行クルーに聞く オレンジウミガメついにハワイへ
運航支えた乗員たち、初便をどう受け取った?
この便では永岡伸夫機長、佐立弘一機長が操縦席に座り、客室責任者であるチーフパーサーが松本伸子さん、CAとして島倉愛香さんが320人の乗客とともに、NH182便に乗り込みました。「フライングホヌ」3号機の初便に乗務が決定したときの心境を、乗員は次のように振り返ります。
「正直最初は、機長責任者としての責任は重大だなと感じておりました。まずは何事も無く無事にフライトを終えることができればと思いました。しかしながら、搭乗ゲートで早くからもっとも早い搭乗を目指してお待ちのお客様と二言三言お話しさせてもらったり、海外からこの真新しいA380搭乗のためにわざわざお越しいただいたお客さまから感謝のお言葉を頂いたりして、やはり皆様がコロナ禍からの停滞気味な空気を吹き飛ばすハッピーなニュースを期待していたのではと感じました」(永岡伸夫機長)
「自分が担当となったことよりも、やっと3号機が就航することが、社員としてとても嬉しく思いました。コロナ禍の中、成田空港で止め置かれている3号機を見かけていたので。このフライトに携わる社員が一丸となって、お客様に楽しんで頂けるフライトにしたいとチーフパーサーとして強く思いました」(松本伸子さん)
そのようななか成田空港を飛び立ったNH182便。機内の様子を乗員の方は次のように話します。
「お客さまへは、念願の3号機を商用飛行に投入できた感謝の気持ちを胸に、初便でもいつも通り安全で快適で、そして定時に到着するフライトを提供できるように気象解析をして、最適な経路や高度を選択するよう心掛けました。フライト中は機体が新しいので、なるべく不具合が発生しないよう優しく丁寧な操作を心掛けました」(永岡機長)
「いつも通りを心掛けていました。しかしながら、外部点検の時にいつも遠くに見ていたオレンジ色のピカピカの機体を間近に見て心拍数が少し上がりました。それからは少しだけ、スイッチや計器の操作や確認がいつもより慎重になった気がします」(佐立弘一機長)
「『フライングホヌ』をイメージしたぬいぐるみをお持ちの方やご自身でオリジナルグッズを作成しご搭乗して下さった方、3号機に合わせてオレンジ色のお召し物を身につけてご搭乗して下さった方など、オレンジ色でいっぱいとなり、初就航のお祝いをみんなで共有できた空間でした。通常のフライトよりも多くのお客様とフライングホヌについてお話させていただくことができ、私達もとても楽しみながらフライトさせていただきました」(島倉愛香さん)
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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