これぞ「走る社長室」4人乗りヴェルファイアをJMSで展示したワケ 日本じゃまだ「要人車はセダンでしょ」?
将来的には一般販売も
トヨタではアルファード/ヴェルファイアよりも一回り大きなミニバンとして「グランエース」も用意しています。しかし、同車は全長5300mmの巨体。ヴェルファイア スぺ―シャスラウンジなら、全長5m以内(4995mm)、全幅で1.9m以内(1850mm)に収まるため、日本の都市部で扱うにはちょうど良いといえるサイズで広い室内空間を確保しています。大人数を載せないのであれば、グランエースよりもむしろ使いやすいのではないでしょうか。
ただ、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)が聞いたところによると、ヴェルファイアやアルファードといえど、スライド式の後部ドアがハイエースなどの仕事車を想起させることから、いわゆるセダンタイプのリムジンとは異なる、言うなれば一段劣る存在だと考える要人も多いようです。
とはいえ、そのようなネガティブイメージがあっても、ヴェルファイアやアルファードが高級ミニバンとして確固たるブランドイメージを形成しつつあることは間違いありません。実際、今回「最上級のミニバン」として「スぺ―シャスラウンジ」が発表されたのはその証左だといえるでしょう。
なお、「スペーシャスラウンジ」はジャパンモビリティショー2023の会場ではコンセプトモデルとして展示されていましたが、メーカー担当者いわく一般販売を考えているとのこと。ゆえに、今回の実車展示は来場者の反応とリサーチを兼ねたものともいえそうです。
セダンではなくミニバンベースの要人送迎車が主流になる日も、そう遠くないのかもしれません。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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