「コイツ敵に回すとヤバイ…」ドイツ最新戦闘車「リンクス」元米軍将校が“最恐”と語るワケ
強敵「リンクス」もし攻撃するなら
筆者は、KF-41「リンクス」を今年(2023年)9月に開催された防衛・安全保障見本市「DSEIロンドン」で見てきました。
まず、注目したいのが搭載火砲です。M2「ブラッドレー」は25mm機関砲を搭載していますが、KF-41は35mm機関砲に大型化しています。これはつまり、攻撃可能な距離が長くなったということです。この口径の有効射程は短くても5~7kmもあります。対して「ジャベリン」などの肩撃ち式の対戦車ミサイルは射程が2~3km程度のため、対戦車兵としては非常に厄介です。
ちなみに、軽量型であるKF-31は30mm機関砲とワンランク小さくなるものの、それでもM2「ブラッドレー」より長射程・高威力であることは変わりません。
CSW(搭載火器)は車内から操作できるRWS(リモート武器システム)であり、砲には最新のFCS(火器管制システム)が組み込まれています。つまり、初弾から有効弾を撃ち込んでくるとみて間違いないため、対戦車兵としてはますます厳しい状況です。
よって、私がKF-31/41と戦うことになったら、まず主砲右横のFCSやLRF(レーザー測距器)が組み込まれている箇所を破壊し、反撃の精度を減じることを考えます(私は有線誘導式のTOWミサイルを主に使用していました)。しかし、これは「言うは易く、行うは難し」です。こちらが対戦車ミサイルの射程に近づく前に、KF-31/41に発見されてしまう可能性が高いでしょう。運よく発見されなかったとしても、最新のアクティブ防御システム(詳細は機密とのこと)が作動して、こちらの放った対戦車ミサイルは撃ち落されます。
加えて、KF-31/41では装甲もモジュラー式になっています。これにより万一被弾し装甲が破損しても、当該箇所の修理・交換が行いやすくなっているため、戦線復帰するまでの時間はかなり短くなっているはずです。また装甲のギャップ(スキマ)が少なく、真後ろ程度しか弱点がないことも攻撃の困難さを感じました。
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