「コイツ敵に回すとヤバイ…」ドイツ最新戦闘車「リンクス」元米軍将校が“最恐”と語るワケ

案外アメリカ陸軍が採用するかも

 そもそもIFVが1両だけでフラフラしているわけがありません。随伴するであろうKF-51戦車は、砲塔に小型UAV(無人航空機)を備えており、オプションとして徘徊型弾薬「HERO-120」を搭載できます。

 運よくKF-31/41を破壊できたとしても、KF-51の正確無比な攻撃から、歩兵にすぎない対戦車チームは逃げることはできないでしょう。実戦を経験した筆者ですら、KF-51戦車とKF-31/41歩兵戦闘車のチームは、戦いたくない相手だと感じるほどです。ここから、いかに恐ろしいか、わかってもらえれば幸いです。

 では、これらKFシリーズを採用して、ある意味「最強」の機甲部隊を編成するのは、どこの国になるでしょうか。

Large 231031 kf41 03

拡大画像

ユーロサトリで展示されていたKF-51「パンター」戦車(飯柴智亮撮影)。

 アメリカは最近、新規設計となる新型戦車「M1E3」の開発を発表しました。一方で、M2「ブラッドレー」の後継計画(XM30)も出ています。ただ、アメリカ軍の計画はコロコロ変わります。特に陸軍はその傾向は強いです。

 もしかしたら、新型戦車をゼロから新規開発するよりも、既存の最新戦闘車両を手っ取り早く導入してしまおうと考え、ラインメタルのKFシリーズという選択肢が浮上する可能性もなきにしもあらずだと、筆者は考えています。

 少なくともラインメタルのKFシリーズが示した次世代戦車&歩兵戦闘車のコンセプトは充分に研究されるでしょう。「世界最強のアメリカ軍」の座を維持するため、アメリカが次世代の機甲部隊にどのような判断をしていくのか、かつてアメリカ軍に属していた1人として、興味は尽きません。

【了】

【意外と広い車内も】これが最強コンビ! KF-41歩兵戦闘車とKF-51戦車です(写真)

Writer: 飯柴智亮(元アメリカ陸軍将校)

東京都出身。州立北ミシガン大学在学時に米陸軍予備役士官訓練部隊(ROTC)で訓練を受ける。1999年、米陸軍入隊。第82空挺師団に所属しOEF(不屈の自由作戦)に出征。2005年、少尉任官。ストライカー旅団などで勤務。2009年除隊。国際政治学修士。極真空手初段。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。