横浜になぜか「北方領土へ行くための船」現る! “住める船内“異例の公開は大盛況「大切な問題だ」
北方領土にパスポート・ビザなし渡航するための専用船「えとぴりか」が横浜港で一般公開されました。新型コロナやロシアによるウクライナ侵攻で北方四島に接岸できなくなった今、この船は新たな用途に使われ始めています。
北方領土に行くための専用船なぜ必要?
横浜港の新港ふ頭で2023年10月20日から22日にかけて、北方四島交流等事業使用船舶「えとぴりか」(1124総トン)の一般公開が行われました。この船は簡単にいうと「北方領土に行くための専用船」です。
その存在自体が珍しい船というだけでなく、接岸しても中に入れる機会がほとんどないため、みなとみらい周辺に観光へやって来た多くの人が立ち寄っていました。この「えとぴりか」、どのような船なのでしょうか。
まず「えとぴりか」が向かう北方領土とは、北海道の東に位置する択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島からなる4つの島で、そこから「北方四島」とも呼ばれています。4島は日本がポツダム宣言の受諾を発表した1945年8月15日以降にソ連軍の侵攻を受け、9月5日までに占領されました。
日本政府は北方四島については日本固有の領土であり、ソ連がなくなった後もその後継国家であるロシアによって不法占拠された状態が続いているとして返還を求めています。ただ、交渉の進展はなく、実現は不透明な状況です。
その一方、1991年にソ連(当時)側から日本国民と北方四島在住ロシア人との交流を行うことが提案され、翌1992年からパスポート・ビザなしの相互訪問が始まりました。北方領土問題対策協会(北対協)は、かつての島民やその家族らを対象とした自由訪問の支援や、同島に在住するロシア人と元島民、返還運動関係者などとの相互交流事業を行っています。
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